みなさんは一投目に、どんなボールを選んでいますか?
「とりあえず、一番ピンが飛ぶ大好きなエースボール」
「最近ドリルしたばかりの、お気に入りの最新ボール」
それも悪くないのですが、もしかしたら今日のレーンで「迷子」になる第一歩かもしれませんよ。
レーンの状態を正確に測るための「モノサシ」。
2020年、NAGEYOではそんな「ベンチマークボールの必要性」についての記事を公開しました。
ベンチマークボール
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今回は持っているようで持っていないチョメチョメボール
ベンチマークボール持ってますか?今の自分に対してそのレーンはどんなレーンなのかを判断する為のモノサシとなるボール
同じボウリング場でもオイルコンディションは毎回同じではありません。ベンチマークボールで投げ始めることでその日のオイルコンディションが自分にとって遅いか早いかがわかり投げるラインの見当をつけられます。
ベンチマークボールを基準にその日のオイルコンディションに合ったボールを決めやすく攻略法も見つけやすくなります。続きを見る
ベンチマークとは基準、水準、指標という意味で、ボウリングではオイルコンディションを読むための基準になるボールです。
同じボウリング場でも、毎回オイルコンディションが同じとは限りません。ベンチマークボールで投げ始めることで、その日のレーンが自分にとって早いのか遅いのか、どのあたりにラインを取ればよいのか、見当をつけやすくなります。
ベンチマークボールを基準にすることで、その日のコンディションに合うボールを選びやすくなり、レーン攻略の手がかりも見つけやすくなります。
以前の記事では、手持ちのボールの中から「自分が感じる走りと曲がりが平均的なボール」をベンチマークにすることをお勧めしました。
しかし、あれから6年。
ボールの性能も驚くほど進化し、私たちボウラーを取り巻く環境も変化しています。
果たして、当時の「正解」は今もそのまま通用するのでしょうか?
今回は、6年経った今だからこそ改めて考えたい、「今のあなたに本当に必要なベンチマークボール」のお話です。
好きなボールとベンチマークボールは違う
ボウラーには、それぞれ好きなボールがあります。
手前からよく走るボール
先で鋭く向きを変えるボール
しっかりオイルを捉えて安定した曲がりをするボール
自分の投球や好みに合うボールを投げるのは楽しいことです。しかし、好きなボールとベンチマークボールは必ずしも同じではありません。
好きなボールは自分が気持ちよく投げられる、投げたいと思うボール、大会などで活躍したボールです。
一方ベンチマークボールは、その日のオイルコンディションを感じ、他のボールやラインを選ぶための基準となるボールです。
好きなボールが極端に走る、あるいは極端に曲がるボールであれば、それを投げて感じたレーンの情報が自分にとってどのようなものなのか判断しにくい場合があります。
「エースボールだから間違いない。このボールの動きが好き」
正確な情報ではなく、好き嫌いでオイルコンディションを読むのは少し違います。
好きなボールで投げることと、基準になるボールで投げることは別の役割として考えてみてください。
自分の球質から「基準」を逆算する
ベンチマークボールを選ぶ時、ボールのスペックだけを見て決めていませんか。
RG、ΔRG、カバーストック、表面仕上げ。
ボールのスペックは選ぶ際の大切な情報ですが、同じボールでも投げる人(球質)によって、レーンから受け取る情報はまったく変わります。だからこそ、ボールを選ぶ前に自分の球質を知ることが大切なのです。
例えば、こんな風にレーンの情報を勘違いしてしまうことはありませんか?
スピードが勝る(回転が少なめ)タイプ
走ってキレる系のボールをベンチマークにすると、オイルの長さを測る前にツルッと滑って終わってしまいます。結果的に「うわ、今日めちゃくちゃオイルが多い!」と過剰に勘違いしやすくなります。
このタイプは、ドライゾーンで急激に反応しない「動きが読みやすいコア」や、強すぎないカバーストックを組み合わせたボールが基準を作りやすいです。素直でクセの少ない対称コアなどを選ぶのも良い選択ですね。
回転が勝る(スピードが遅め)タイプ
逆に、摩擦しやすい「強すぎるボール」を最初に投げると、手前から曲がりすぎてしまい、「うわ、今日レーン遅すぎ!」と大げさな情報を受け取ってしまいます。
このタイプには、適度に走ってくれるコアや動きが少なめのコアをベースに、「オイルを素直に感じやすいカバーストック」を組み合わせたボールがベンチマークに向いています。
だからこそ、「プロが使っているから」「人気だから」と誰かのベンチマークをそのまま真似るのではなく、自分の球質がレーンにどう干渉するかをベースに、「これくらい曲がるはず」という「自分だけの『真ん中』のボール」を決めることが必要です。
自分が探したいのは、ボールが動き出す「ブレイクポイント」なのか、それとも「オイルの濃淡(壁)」なのか。
それが明確になれば、あなただけの「迷子にならないためのボール」が自然と見えてきます。
参考記事
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松P先生!レーンコンディションの読み方がわかんないの教えてください。その1
ボウリングのレーンにはオイルが塗ってあって、そのオイル事情を読み取ってストライクを量産していく。こんな話って聞いたことありますよね?でもオイルって見えないしどうやったらレーンコンディションを読めるのだろうか?そう思うのはあなただけじゃない!松P先生がそのあたりの話をしてくれます。
続きを見る
ベンチマークボールは探検隊の一員
ベンチマークボールは、レーンを攻略する答えを教えてくれるボールではありません。
オイルがどこにあるのか、どこからボールが動き始めるのか、どのラインならポケットに向かうのか。
投げながらレーンの情報を集め、自分の投球と照らし合わせていくための道具です。
私はベンチマークボールを「オイルを感じ、ラインを一緒に探す探検隊の一員」だと思っています。
イメージしてください。
私たちは今、未知なるジャングル(未踏のレーン)に足を踏み入れた探検隊です。
自分が探検隊の隊長で、ベンチマークボールは真っ先に危険地帯へと足を踏み入れてくれる頼もしい仲間。
あの頃の「川口浩探検隊」のような世界です。
ここから先はコレを聞きながら読んでね(笑)
↓
おい! 5枚目の外側に潜む巨大な毒蛇に気をつけろ!
隊長! 15枚目付近は底なし沼です!
止まれ!バックエンドにピラニアの群れがいるぞ……
……あれは……まさか、伝説の猿人が⑩ピンを押さえてるぞ!?
と、大騒ぎしながら未開の地を進んでいくわけですが、ボールがどこまで走り、どこで曲がりはじめ、どのようにピンに向かったのか。
その頼れる隊員(ボール)の動きから、隊長である私たちが次の一手を冷静に判断します。
もっと内側の安全なルートは使えないのか?
底なし沼を避けて外側の獣道を進むべきか?
それとも、より強力な武器(別のボール)を投入する時なのか?
昭和生まれじゃない人ごめんね(笑)
ベンチマークボールを投げることは、ただ漫然と最初に投げるボールを決めることではありません。
自分の投球とレーンの状態を暴き出し、次の一手を考えるための道標です。
頼もしい相棒と一緒に、レーンという名の魔境を探検していきましょう。
基準は「今の自分」に合わせてアップデートする
探検隊の頼もしい相棒(ベンチマークボール)ですが、「一度決めたらずっとこれ!」と固執する必要はありません。
ボウラー自身の体調、投球スキルの変化、新しいボールとの出会いによって、自分の中の「基準」が変わることはごく自然なこと。「今の自分には、こっちのボールの方が素直にラインを探しやすいな」と感じたら、あっさりと選手交代して構わないのです。
大切なのは、特定のボールにこだわることではなく、「今の自分にとっての『真ん中』がどれか」を常に把握しておくことです。
迷子を救う「コンパス」として。
6年前の記事から大きく変わったのは、現代のボウリングでは「ボールの替え時」がスコアに直結するようになったことです。
近年は、両手投げをはじめとする高速回転ボウラーの増加やボール性能の進化、レーンパネルの劣化なども重なり、オイル変化が以前より激しく、そして早くなっています。一昔前の感覚で「まだいけるかな?」と様子を見ているうちに、あっという間に底なし沼に飲み込まれてしまいます。
大きな大会になるほど、同じボールで同じラインを投げてハイスコアを出し続けられるのは、ほんの数ゲームです。オイルの変化を感じ取り、仮説を立てながら素早くボールを替えていくスキルが欠かせません。
とはいえ、難易度の高いスポーツコンディションやタフなレーンでは、ゲームの途中で「あれ? 今のミスショット? それともオイルが枯れた? 逆に伸びた?」と、完全に迷子になる瞬間がありますよね。
そんなときは、理由もないまま極端なボールに持ち替えるのを、いったんストップ。
もう一度、ベンチマークボールを投げてみてください。
ベンチマークボールは、スタート時だけでなく、ゲーム途中で「今のレーン状況」を確かめるコンパス(方位磁針)としても役立ちます。基準のボールを投げれば、「やっぱり手前のオイルがごっそり削れているんだな」と、冷静な判断を取り戻せます。
ベンチマークボールを必ず持たなければならない、という決まりはありません。それでも、自分の中に確かな「基準」があれば、ラインナップも組みやすくなり、刻々と環境が変わるジャングルでも、私たち探検隊は安心して前に進めます。
ぜひ、今のあなたにとっての「真ん中」のボールを見つけて、頼もしい相棒と一緒にレーン探検を楽しんでください。

