技術・知識

松P先生!レーンコンディションの読み方がわかんないの教えてください。その1

投稿日:2023.08.31 更新日:


レーンコンディション 読み方

ボウリングの上達には「レーンコンディションを読むこと」が必要だと聞いたことはありませんか?

オイルの長さ、オイル量などはもちろんオイルの壁なんて言葉も聞かれます。
では、そのオイルに関することや“レーンコンディション”はいつ頃わかるのでしょうか?

マイボールを持ったらオイルを読めるようになるのでしょうか?

キャリアを積めばオイルに詳しくなるのでしょうか?

どうしたらオイルのことがわかるのでしょうか?

答えは

オイルを感じること

「レーン上にオイルが塗ってあることは知っているけど見えないし感じることって、どういうこと?」と思われるでしょう。
海外ではブルーオイルなど色をつけて濃淡や長さを見ることもできますががほとんどの場合、オイルを見ることはできません。しかしオイルを理解して練習をすれば見ることはできなくても感じることはできるようになるのです。

今回はオイルを感じるようになるために有効な練習方法をご紹介します。

なぜオイルを読むことがスコアアップ、上達に繋がるのか?

マイボールを持ってアベレージ150点くらいになりハウスボールよりスコアは上がったけど1年経ってもアベレージはそんなに変わらない、という方や大会も出るようになりフォームも固まってきて200アップする時もあるけど続かない、こういう方が多いですね。
練習はフォーム、コントロール、曲がりを考え、それが良くなればスコアも上がる、つまり投球の質を上げることこそがスコアアップに繋がると思っているのではないでしょうか?
しかしレーン上にはオイルが塗ってあってオイルの変化に対応することが上達には求められます。

ずっと同じところを投げていてはカッコいいフォームでもコントロールが良くても強い球質でも十分に変化に対応できないのです。
もちろん再現性のために安定したフォームや狙ったところを投げるコントロール、失投をカバーしてくれる球質はハイスコアやラッキーに繋がりますが全てではありません。レーンコンディションに対して自分の球質がポケットに行くラインを見つけ、オイルが変化したらそのラインを調整していけば根拠があるアジャストができます。

なぜストライクが出たのか?

なぜ厚くいったのか?薄くいったのか?

なぜストライクが出にくくなったのか?

ヒントはオイルに隠されています。

なぜオイルを感じなければならないのか?

最初にお話ししたようにオイルは見えませんので、自分で投げたボールの動きを見ることです。
簡単に言えば

オイルがあるとボールは滑る。

オイルが無いとボールは動く。

これをもう少しわかりやすく言うとオイルがあるとボールは曲がりにくくなり、オイルが無いと曲がりやすくなります。
この反応を自分の投げたボールで見分けられればオイルを感じることに繋がります。

オイルを感じる練習方法

まずは準備運動をした後、何投か体慣らしに転がしてください。いきなり全開で投げるのは危険ですよー。

① いろんなところを投げて情報を集める

レーンの端から中央付近までオイル事情がどうなっているのか?を調べていきます。
そのためにスパットで5枚、10枚、15枚、20枚に通るように投げてみます。
(両手投げボウラーや高速回転ボウラーは10枚、15枚、20枚、25枚あたりをおすすめします。)

レーンコンディション 読み方

それでは実際に投げていきましょう。

レーンコンディション 読み方

5枚目投げるよ~。

まずはレーンの端っこの状況を知りたいのでガターギリギリの5枚(1番スパット)あたりを投げます。

レーンコンディション 読み方

この時の立ち位置は自分が狙いやすい所からで大丈夫。

レーンコンディション 読み方

わかりにくい場合は何球か投げてもいいでしょう。

この時に注意してほしいのはきっちり5枚ではなくても4枚〜6枚くらいでもOKです。その板目を投げることに意味がありポケットへ行くように投げなくても大丈夫です。

どこまで真っ直ぐ行くか?

どこで動くか?

どのように動くか?

よーく見ることが大事です。

オイル レーンコンディション

オイル レーンコンディション

スパットのチョイ先くらいで曲がり始めて①②にボールが当たりました。

オイルパターン レーンコンディション

向きが変わったとこに印をつけました。

5枚と同じように10枚、15枚、20枚を投げてボールがどのように動くのかを見ていきましょう。

10枚投げるよ~

次は10枚目(2番スパット)付近を投げてみます。ボールの動きに違いがみられるかもしれないから良くみてね。

レーンコンディション 読み方

 

レーンコンディション 読み方

立ち位置を5枚の時よりも5枚くらい左に移動しました。

レンコン 調べ方

レーン 読み方

レーン 読み方

思ってたよりも曲がったー!

5枚目の時よりも少し先に行ったけどレーンの真ん中あたりで大きく曲がって①②ピンまで曲がった。

オイルパターン レーンコンディション

この時点で言えるのは5枚よりも10枚目の方がちょっとだけまっすぐ進みました。ってことはオイルが長いってことですね。ただし、どちらもレーンの半分くらいのとこから曲がり出しているのでもっとオイルが長いとこを探したいって思ってます。

15枚投げるよ~

次は15枚(3番スパット)あたりを投げます。普段投げないから景色に慣れない人もいるかもしれないけど、何回かやっていくうちに慣れますから頑張って。

レンコン 読み方

 

レーンコンディション 読み方

立ち位置は10枚目を投げたとこより5枚ほど左側に寄ります。

レーンコンディション 読み方

レンコン 探り方

レンコン 探り方

急に真っ直ぐ進むようになったー。

5枚、10枚の時に比べ明らかに滑ってピンの近くまでまっすぐ行き、①の真ん中に当たりました。

オイルパターン レーンコンディション

20枚投げますよ~

では最後です。
レーン中央の20枚目(4番スパット)投げます。普段投げない人も多いと思いますが情報収集してみましょう。

レンコン 読み方

レーンコンディション 読み方

立ち位置はさらに5枚ほど左に移動します。

レーンリーディング ボウリング

レーンリーディング ボウリング

レーンリーディング ボウリング

15枚の時と同じくらい先まで進んで①の真ん中あたりました。

オイルパターン レーンコンディションこの4投で大まかにレーンの情報が集められました。

② 集めた情報を整理してみる。

①で投げた4投のイメージを重ねるとこんな感じになりました。

オイルパターン レーンコンディションごちゃごちゃして美しくないのでもう少しイラストをスッキリさせます。

オイルパターン レーンコンディション

ボールが動いたら(曲がったら)オイルが少ない、短い。

ボールが滑るように真っ直ぐいったら(曲がらなかった)オイルが多い、長い。

この時点で、10枚より外はオイルが短くて、15枚から中(左)はオイルが長そうですね。
レーンの左半分は投げていないからわからないけど、もうちょっとイメージを膨らませてみるとこんな感じかな?

オイルパターン レーンコンディション

5枚を投げた時よりも15枚を投げた時の方がボールが真っ直ぐ行ったので長く塗ってあるといえますね。

オイルパターン レーンコンディション

慣れるまでは簡単なイラストを描いて視覚化してもいいと思います。

ここまででアメリカン方式だとだいたい1ゲームくらい。競技会や試合などですと練習の時間内で大まかには把握できると思います。

③ 情報を元に投球ラインを決める

今回集めた情報から投球ラインを決めてみます。

5枚~10枚あたりは曲がりすぎてしまう。

15~20枚は曲がらない。

このふたつの情報から、まずは10枚と15枚の間あたりならちょうどいいんじゃないか?と思いましたので、12枚近辺から狙っていくことにします。

その理由は?

12枚近辺よりも右にミスしても、外は曲がってきてポケットに行ってくれそうだから。

逆に左にミスしても、そこには長いオイルがありそうなので滑ってポケットに行ってくれそうだから。

この仮説を元に投げていきますよ。

レンコン 攻略

レンコン 攻略

ストライク ボウリング

ストライク♪

このように集めた情報を元に戦術を立てていくことが大切です。
ストライクが出ればひとまずそのラインでいいし、曲がってしまうならオイルが多い所へ移動して、曲がらなけれがオイルが少ない所に移動するなど微調整していきましょう。

松P先生からヒント

狙っているラインの外(右)側に曲がってくるとこがある。そして内(左)側にオイルがたくさんあって曲がらないってラインを見つけられたらストライク連発のチャンスです!

まとめ

オイルを感じる方法をご紹介しましたがいくつか注意していただきたいことがあります。

松P先生からの注意事項

⚫︎マイボールで投げる
ハウスボールではボールの素材上オイルに反応しにくいので違いが出にくいです。

⚫︎投球の良し悪しを判断しない
ちゃんと投げられたかどうかの練習ではないので投球に関して深く考えないようにしましょう。

⚫︎毎回違う投球をしない
曲げようとか回転を増やそうとか意識的に投球を変えないでください。正確に投げるということではなくだいたい同じように投げればOKです。

⚫︎オイルを感じる
ストライクを出す練習ではないです。ボールの行き先を意識的に変えてストライクを出そうとムキにならないようにしましょう。

⚫︎ボールの動きを見る
よく見ることがオイルを感じることに繋がります。

⚫︎何回か練習してみる
1回の練習で「わからない、オイルを感じられない」と思わずに何回か練習してみてください。いつも投げている景色と違うところを投げることは、ライン取りやスペアの上達にもつながります。
練習を続けているうちに「あっ!これかも」って感じられるようになります。

松本妃永 ボウリング

最初はガターに近い5枚やレーン真ん中の20枚など普段投げ慣れない板目を投げることに抵抗があるかもしれませんが、この練習を何回も繰り返していくうちにボールの動きが見えてくるようになります。
つい投球術に目が行きがちですがレーンコンディションの攻略こそが好スコアを出し続けるコツです。

レーンコンディションを読んで最適と思えるラインを探し出すために特別な球質や特別な技術は必要ではありません。レーンには必ずオイルのあるところと無いところがありますから、レーンの外側から中央付近まで投げてみて「どこにオイルがあるのか?」「無いところはどこなのか?」を探ってみてください。
ボールの動きをよく見るってとオイルを感じることになりますよ。

そしてこれから先のレンコンの変化に対応できるようになるためにもまずはオイルを感じてみてください。レーンコンディションの変化についてはまたの機会にご紹介しますね。

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じゃ、投げるからまたねー。

松本妃永 ボウリングあ、厚めだからもうちょいオイル使おうかな。
By 松P

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松本妃永(プロボウラー)

社団法人日本プロボウリング協会18期プロボウラー 一般社団法人レッシュ・プロジェクト公認マスター級トレーナー プロボウラーとして、またレッシュ4スタンス理論から見たボウリングを皆様にお伝えします




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