とうとう2023年も最後の日が来ましたね。
今年は日本国中が大熱狂したWBCの優勝、夏の甲子園では慶應が爽やかな風を吹かせ、阪神タイガースが日本一となり、ホームラン王となったエンジェルスの大谷選手がドジャース移籍などで野球の話が連日報道されていたように感じます。
他にもフィギュアスケートの世界選手権で宇野昌磨選手、坂本花織選手が連覇。三浦璃来選手・木原龍一選手ペアが優勝。
男子バレーボール、男子バスケットボールパリオリンピックの出場権を獲得。車いすテニスの国枝慎吾さんが国民栄誉賞。ボクシングの井上尚弥選手が4階級制覇。他にも数多くの心を熱くさせられる場面を見た一年でした。
ボウリング界もトーナメントや試合も有観客となり現地で選手を応援できる環境が戻ってきました。各ボウラー団体で若手選手の活躍も目立ち、1ピンをめぐる熱い戦いも見られました。
残念ながらここ数年聞こえてくる閉鎖や縮小は止まらずに我々ボウラーの活動の場が減ってしまうのは心が痛みます。
2024年は新規オープン、リニューアルオープン、増築などの話がたくさん聞こえてくると嬉しいなと思います。
それには、我々ボウラーひとりひとりがたくさん投げに行って日本中に素敵なムーブメントを起こさないといけませんね。
ドリラー芦川和義が選ぶ 勝手に玉・オブ・ザ・イヤー2023
2023年は主要4社のハイスポーツ、ABS、サンブリッジ、レジェンドスター合計発売数は141個。こう振り返るとめっちゃありますね!!
わかっちゃいるけど毎年驚きますし、こうなってくるとボウリングの投球スキルも大切ですが「どのボールを買い足していくのか?」ってひとつのスキルだと思います。
せっかくお小遣い貯めて買ったのに…
使えねー!
思ってたのとちげーぞ!
好きじゃないんだけど(涙)
これは悲しいですもんね。
そうならないためにも、毎月公開している「〇月発売の玉まとめ」記事を参考にしていただきたいですし、今年は公開した玉に関する記事も合わせてご覧くださいませ。
対称コアと非対称コア
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対称コアと非対称コアってよく聞くけど何が違うの?
ボウラーの間の会話でよく出てくる対称コアと非対称コア。よく聞くワードだけどぶっちゃけどんな違いがあるのでしょうか?そんな疑問を持った松Pが「あのお方」に基本的な事から聞いてきましたよ。
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ソリッド、ハイブリッド、パール?
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ソリッドとハイブリッドとパールと私
ボウリングのボールを買う時にソリッド、ハイブリッド、パールって聞いたことありませんか?でもそれって何のことなんだろう?ってボウラーのために、松Pがあの人に質問してきましたよ。ボールを選ぶときの参考にしてくださいね。
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ちょっと脱線しましたが、今年発売されたボールの中からソリッド、パール、ハイブリッドの3部門に分け勝手に玉オブザイヤー(以下TOY)を決めさせていただきます。
ドリラー和義が選ぶ ソリッド素材の部
ソリッドの特徴
ソリッド素材の特徴はオイルに対して過敏に反応しないので、オイル上での安定した挙動からのレーン中間からバックエンドにかけて読みやすいのが特徴です。
これにより派手な動きはしませんがしっとりとした読みやすいレーンキャッチをしますので、滑りすぎるたり先で動きすぎたりする読みにくいレンコンやオイルの濃淡差が大きなレンコンでおすすめです。
忘れてたよ。君の圧倒的な強さを…。
ここ最近のレンコン事情は変化が早くて、いわゆるオイルに強いボールって使える時間が短いし、競技ボウラーじゃないとメンテ直後のレンコンなんてそうそう投げないもんね。と思っている人も多いと思いますが、やっぱり必要な時はあるんです。
多少のオイルには流されないレーンキャッチがあることでの安心感。そう、中途半端な玉だとブレーキ掛かったり抜けたりってなりがちで、あいまいなラインを投げてしまうことがありますがジャッカルアンブッシュがあれば大丈夫!
そう思わせてくれるガッツリキャッチ系のジャッカルアンブッシュ。
スピードが速いボウラーやオイルが多い環境で投げる人、オイルが怖い人には最高の相棒となるでしょう。もう見かけることはなくなってしまいましたが、もし見かけたら即ゲットしてもいいと思いますよ。
ハンマー社では一番オイルに強いENVY SOLIDを使っていますので、当然オイリーレーンで活躍してくれます。
が!それだけじゃないんです。
オブセッションツアーという先の動きがおとなしめの特性を持つコアを使っています。オイルに対しての強さも感じるし先の動きは過激ではないので意外と思えるほど長い時間使えるしいろんなレンコンで合わせやすい万能系の頼れる玉です。
すんません。カズヨシの思い出枠です。とは言え素晴らしい仕上がりの玉ですよ。
ソリッドリアクティブって聞くとオイルが多い時じゃないと使えないんでしょ?って思いがちですが、この玉は老若男女、ストローカーから高速回転ボウラーまで幅広いボウラーに使ってほしい名作です。30年ほど前に発売されたリメイクですが、今も十分一軍として使えますし、なにより色もロゴもかわいいよね。
ドリラー和義が選ぶ パール素材の部
パールの特徴
リアクティブ素材にパールを混ぜることによりオイル上の摩擦を弱めています。
これによりオイルゾーンでの走りが良くなりフッキングのエネルギーをピン前まで保持してくれます。いわゆる走って切れるという表現をする玉が多いです。
少し前まではパールと言うとピン前での動きが暴れてしまうと嫌う人もいましたが、コアの設計やオイルに強い素材を使うことにより使い勝手がかなり良くなっています。
痺れた!
HK22旋風の先駆けともいえるコロンビア300のトップスピード。ブランズウィック工場のボールって先が緩いイメージをこの玉で一新しました。
フォーミュラ1というコロンビアの中では一番強いパールリアクティブですが以前のカバーよりも明らかにレーン後半での動きが鋭くなっています。オイルを感じやすいカバーの玉を使うと手前は走ってバックエンドの動きは鋭くなるのですが、オイルに対して過敏な反応をしてしまうため抜けたり刺さったりが起きてしまい制御不能になる場面があります。それを解消するためにカバーを摩擦の強い玉に換えるとバックエンドの安定はしますが手前の走りが軽快ではなくなります。
このあたりの微妙なとこをドンピシャに合わせてきた素晴らしい玉です。
これもHK22のベースカバーを使ったエボナイトの新作です。滑りすぎない走りと安定感のあるキレを体感できる素晴らしい玉です。
オイルが少なくなってラインがインサイドになってくると鋭いバックエンドの動きが必要となってきます。当然インサイドになるとオイルが多いのである程度摩擦の強いカバーが必要ですね。その両方を兼ね備えた絶妙な仕上がりの玉です。
現在でも手に入ると思うので気になる人はGETしといてくださいね。
最後のカンタムもHK22を使った玉です。
昨年発売されたカンタムの3ピースバージョンEVOシリーズ。今までにソリッドとパールが発売されていましたが、カンタムファンとしては早くHK22バージョンで発売されないかな?って狙っていたので発表された時はトキメキました。
カズヨシの中ではカンタムEVOトキメキレスポンスです。
ドリラー和義が選ぶ ハイブリッド素材の部
ハイブリッドの特徴
ソリッド素材とパール素材を混ぜ合わせています。
特徴はソリッドの安定感とパールのキレを混ぜたイイトコ取りってことになりますので、どんなレーンコンディションにも合わせやすいという特徴があります。
悪い言い方をしちゃうとソリッドほど安定しない、パールほど走らないなど中途半端って感じる時もあるけどね。
もうね、悪いこと言わない。持っていたほうがいいって!
マジでどっかに売ってたら即買いしたほうがいいですよ。
とにかくよく転がるのでレーン全体を通して動きが見やすいからとりあえずこれ投げとけば何とかなる。カバーも摩擦が強めで滑りすぎないし、ガブガブしすぎないので曲がりが持続してくれます。
最近、痺れるほどの衝撃を受けた対称コアっ記憶にないけどこれは本当に素晴らしいです。シリーズ化していってるのですでに持っている人は追いかけていくのもいいですな。
900グローバルさんてカバー表記が見やすかったんですよね。
S70とかS77、S86って具合に2桁の番号が大きくなると摩擦強いっすよってなってました。でも夏に発売されたリザーブブレンドシリーズが700シリーズ、800シリーズ、900シリーズと大きく分けて3つのシリーズに表記変更となりました。
ざっくり言うと700シリーズはミディアムコンディション向き、900シリーズはオイリー向き、800シリーズはその間って具合です。
このサブライムは800シリーズの2作目だからリザーブブレンド802ってことらしい。しかしこのリザーブブレンドが今までとは明らかに違って素晴らしかったんですよ。
レーンの手前は走るけど滑ってるわけでもない。
バックエンドはコントロールしやすいのに動きがしっかり出てくれる。
バッグには常に入れてほしい玉のひとつです。コア形状も特殊でですが先まで行きつつ転がりも安定しているってんだから、も~まいった!!
ゲームブレイカーってシリーズはエボナイト社の鉄板シリーズですね。
このGB4は噂のHK22が使われているため、持ち前の安定した動きにバックエンドの動きが強化された仕上がりです。中程度の強さのハイブリッドリアクティブで対称コアということもありこれも幅広いレンコンで使える名作ですよ。
いかがでしたでしょうか?
おいおい!
待てよ和義!
俺のお気に入りの玉が入ってねーじゃねーか!
って方は
その玉の感想を
書き込んでくださいな。
今年も多くのレビュー投稿をいただきました。
貴重な感想を投稿してくれた皆様
ありがとうございました!
松Pの振り返り
毎年毎年、一年立つのが早く、なんだか指パッチンしたら年が変わるような勢いです。
今年は籠る生活から以前のような生活に戻りつつも以前とは違うような年でした。何を我慢して何をしたかったのかがハッキリとわかったような気がします。
みんなと投げたい、現地で応援したい、そうは言ってもまだ距離感は保ちたい、それぞれの環境があるなと思いました。
印象に残ったのはNHK杯
5月に開催されたNHK杯で沖縄の座波政斗さんが優勝したことです。
初めて政斗さんに会ったのは小学生の時で、その時からボウリングへの情熱、取り組み方、考え方には感心していました。成長も上達も見てきて、いずれ大きなタイトルを獲るとは確信していましたがNHK杯の優勝を目の前で見られるとは思っていませんでした。
普段から手を抜いたり浮ついた気持ちはない選手ですが決勝戦での戦い方やコンディションへの対応力は素晴らしいの一言です。今年はスポーツ界で数々の感動がありましたが私にとって他に引けを取らないほど感動した優勝でした。
NHK杯
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今年のNHK杯は『時代』を感じる決勝戦でした
今年も観戦に行ってきましたよ。久々の観戦が許された大会で応援の声や拍手などがあって熱気あふれる大会となりました。もうご存じの方も多いと思いますが優勝は沖縄県若い二人に決まりました。決勝当日の模様をお届けします。
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もう一回読んでほしい記事
「記事を見ながら練習しました。」「オイルのことが少しわかりました。」など嬉しいコメントがありました。
オイルがわかったらボウリングは広く深くなりますよ。
レンコンの読み方
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松P先生!レーンコンディションの読み方がわかんないの教えてください。その1
ボウリングのレーンにはオイルが塗ってあって、そのオイル事情を読み取ってストライクを量産していく。こんな話って聞いたことありますよね?でもオイルって見えないしどうやったらレーンコンディションを読めるのだろうか?そう思うのはあなただけじゃない!松P先生がそのあたりの話をしてくれます。
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印象に残ったボール
コロンビア300のトップスピードです。
ドリラーの芦川くんにおすすめされて開けてみました。
表面が強いボールは全くと言っていいほど合わない、好きじゃないと思っていましたが苦手意識とオイルの使い方をひっくり返してくれたボールです。
最後に
この時期になると残念ながらボウリング場の閉鎖がその年のトピックのひとつです。近くのボウリング場は少なくなってきましたが投げやすいホームを見つけてくださいね。
取材、リーグ戦、セミナー、パーソナルレッスン、今年も顔馴染みの方からお初の方までたくさんの方にお会いしました。ジュニアだったボウラーが学生や大人になってもボウリングを続けていて嬉しかったです。
来年もお会いした時には「NAGEYOシールください!」って声をかけてください。
毎日楽しいこと嬉しいことがあるとは限りませんが健康でボウリングできる喜びを感じられる年になるよう願っています。 今年も記事を読んで練習のお供にしていただき、ありがとうございました。
↑写真クリックで記事に飛びます。
カイルは年上好きなんだって(笑)
カズヨシの振り返り
ドリラーという立場でもあるので、人気のボールや新製品、売れ行きがいいボールなどの情報が絶えず入ってきます。ただしボール全体的に価格が上がった影響もあるのか「人気商品」=「売れる」という訳ではなくなったように思います。
ボウラーも情報を探してメーカーサイトや動画、各プロボウラーの動画、更には海外の動画まで視聴して調べて候補を絞ってから購入している人もいるようですよ。そのためか、発売後に少し時間が経ってから突然売れ出すケースも多々ありました。
HK22旋風
もう今年はHK22旋風と言ってもいいでしょう。
2022年の秋に発表されたブランズウィックのディフェンダーハイブリッドのカバーストックに「HK22+ A.C.T. 3.0・ハイブリッド」と書かれていました。その後もDV8のブルータル・コリジョン、コロンビア300のトップスピード、ラディカルのビッグフットハイブリッド、ハンマーの3-D オフセット アタック、エボナイトのエンビジョン、など続々とHK22という表記がされて「なにそれ?」ってなりました。
HK22はブランズウィック工場で作られている7ブランドすべてに採用されているので、名作たちをHK22版にリメイクしたシリーズが多く発売されています。
そのHK22について書いた記事がこちらです。
HK22ってなんなのさ
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最近よく目にするHK22ってこういうことだった
ここ最近ボールの真価が著しいと感じています。特にカバーストック(表面素材)は追いかけきれないほど新製品が出ています。その中で時に気になったのが「HK22」と表記されているカバー。いったい何のことなんだろう?って調べてみましがイマイチよくわからない。そんなわけで詳しい人に直接聞いてみました。
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HK22と、じゃないやつの比較
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「HK22」と「じゃないやつ」を比べてみたよ
最近話題になっているHK22のベースカバーの実力を調べてきました。フォーミュラ1ハイブリッドリアクティブを使った「HK22版」と「じゃないやつ版」の2個を用意して3人のボウラーで投げ比べしてみました。HK22ってどうなの?って思っている人は参考にしてね。
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矛盾してたとこのいいとこ取り
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初の試みなんだって!レジェンドスターフェア2023は深い話がてんこ盛り
お、久々登場のぽっぽ。 LS社のTKから手紙が届いた。 なになに ・ ・ ・ ↑クリックで暗号解読するよ。 なにっ! こうしちゃいられねー。 松Pにも連絡だ!! ・ ・ ・ そして取材当日 こんにちは ...
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リアクタグロス仕上げ
昨年の末にストーム社から新しい表面加工リアクタグロスが発表となりました。最初にその加工が施された玉はストームのFATEでした。その後もストーム、ロトグリップ、900グローバルで使われ始めました。
一言にポリッシュ加工と言っても、いろいろな加工方法が選べる時代となりましたし「走り重視のポリッシュ」「キャッチを感じられるポリッシュ」など、多様化していくレーンコンディションに対応していくためには表面加工は無視できなくなっています。
のあたりの話はハイスポ動画でお馴染みのMATSUYAさんにじっくり聞いていますので読み返してみてください。
リアクタグロスってなに?
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新表面仕上げリアクタグロスってなんだろね? 試したみんなの感想も聞いてみたよ。
ボールの表面仕上げってたくさんありますよね?今回は半年ほど前からボウラーの中で話題となっていたリアクタグロスについて調べてみました。
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しょっちゅう表面加工すると「ボール小っちゃくなっちゃうんじゃないの?」って思う人もいると思います。
そんな心配をした人はコチラの記事もお勧めです。
表面加工で小さくなるの?
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表面加工でどのくらいボールは小さくなるのか?
ご自身でシャカシャカしたことありますか?やってみるとわかるんですが、表面はザラザラしてくるし結構な粉も出るし。これってやりすぎると小さくなっちゃうんじゃないかって心配になりますよね。ドリラーカズヨシが計測器を使って検証してみましたよ。
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2023年もたくさんの方に貴重なお話を伺ったり、写真を撮らせていただきました。引き続きボウリングが大好きな皆様のお役に立てるような記事を作っていきますのでよろしくお願いいたします。