技術・知識

4K-Fastってご存じですか? 教えてもらって投げてみました。

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4K-Fast 4Kファスト

皆さんは4Kって言ったら何を思い浮かべますか?

4Kファスト 表面加工テレビを思い浮かべますか?

4K解像度(よんケイかいぞうど、フォーケイかいぞうど、英語4K resolution)とは、横4000×縦2000前後の画面解像度に対応した映像に対する総称である。

Kは1000を表すSI接頭語の「k」(キロ)の意味(ただし計量法国際単位系においては、1000を表すキロの記号は小文字の「k」であって、大文字の「K」は使うことができない。大文字の K は温度のSI基本単位であるケルビンの単位記号である。)で、横・縦の解像度を意味する4K2Kとも呼ばれる。現在民生用では「4K解像度」「4K」と言う場合、以下のどちらかを指して使われる。

なお、2015年現在の日本の地上デジタル放送や通常のBlu-rayは、2K放送(Full-HD)以下の解像度がほとんどである。

ウィキペディアより引用

4Kファスト 表面加工

野球では三振のことを「K」と表します。記憶に新しいところですと2022年の4月に千葉ロッテマーリンズの佐々木朗希投手が完全試合を達成しました。
その時奪った三振は19個で19Kと表記されることもります。

今回お伝えしたいのは解像度の話でもなく、三振の話でもありません。最近のストーム、ロトグリップ、900グローバルの表面加工のお話です。
表面加工はいろいろありますがボールの外箱に書いてあります。

ボウリング 表面加工 ボウリング 表面加工

過去にも表面加工に関する記事は多く出してありますので、そちらも合わせてご覧下さい。

ポリッシュ加工とは?

ボウリング ポリッシュ
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ボウリング 表面加工

ここ最近今まで見かけなかった表記を見かけるようになりました。

4K-Fast
(ヨンケイファスト)

その昔3Kってありましたが(キツイ、キタナイ、キケン)あといっこはなんなんだ?
なんだか4Kという聞きなれない表記に深い意味がありそうなのですがよくわからない。

そんな時は我らボウラーの味方でボールに関するありとあらゆることに精通しているあの御仁に聞くっきゃいないっしょ。

ボウリング 表面加工

ボウリング ハイスポーツ社

到着

ハイスポーツ社 MATSUYA

ハイスポーツ社 MATSUYA

ハイスポ動画でお馴染み
MATSUYA

和義
今日は4Kファストについて教えてください。
よろしくお願いします。

4kファスト ボウリング

ゲスト(男)
表面の加工違いのボールを用意しました。
和義
4Kって4000て意味で良いですか?
ゲスト(男)
4Kファストとは最終工程をアブラロンの4000番で仕上げているという意味です。
和義
4000グリッドアブラロンとは違うんですね?
ゲスト(男)
表面仕上げはいくつかありますが、工場で最終仕上げをする際にボール表面を丸く整えるための360番をかけます。
そのあとにアブラロンの目を入れるため500番をかけます。

ここまではどのボールも共通です。

ハイスポーツ社 MATSUYA

ゲスト(男)
例えば表面仕上げが2000グリットアブラロンなら、500番のアブラロンの後に2000番のアブラロンを使っています。
3000グリットアブラロンの場合は500番の後に3000番のアブラロンを使っているということです。

ボウリングボール 箱出し

和義
では4000グリットアブラロンはこういうことですね?

ボウリング 表面加工

4000grit 表面加工

インフィニットフィジックス

4000グリットアブラロン

ゲスト(男)
その通りです。
和義
4kファストはどんな工程なんでしょう?
ゲスト(男)
360番→500番までは同じですが、ここから先は1000番→2000番→3000番→4000番というように細かく番手を上げていきます。

4Kファスト 表面加工

和義
めっちゃ細かい!!
どんな効果があるんでしょうか?

ハイスポーツ社 MATSUYA

ゲスト(男)
4000グリットアブラロンは500番の目を残した状態で4000番のアブラロンを使うのでボールの表面の凹凸が大きいです。

表面加工 ボウリング

和義
上っ面だけひぐちカッターみたいな…。
どうぞ進めてください。
ゲスト(男)
最終工程は4000番のアブラロンですが500番の粗い目が残っていますので見た目よりは摩擦係数が高くなります。
ただし使用していくと、ボール表面の山が折れやすいので使用してく度に摩擦係数が変化しやすいです。

資料があるのでお見せします。

ハイスポーツ社 MATSUYA

ボウリングボール 表面

和義
わー!思っていたよりも早い段階で凹凸がなくなっちゃうんですね。
オイルが多い時に使う玉は定期的にシャカシャカして凹凸を作り直さなきゃ!

シャカシャカとは?

アブラロン 表面加工
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ゲスト(男)
次に4kファストは500番の後も小刻みに番手を上げていくので山は低くなっていきます。

ハイスポーツ社 MATSUYA

表面加工 ボウリング

和義
ひぐちカッター二枚刃!みたいな…。
ゲスト(男)
…。

イラストのように4000グリットアブラロンに比べ表面の凹凸が低くなりますが、山が折れにくいこと折れても影響力が少ない仕上げです。
これにより摩擦係数が少ない分、レーンヘッドで直進する距離も長く、ドライゾーンでも急激な摩擦差が生まれにくいです。

RST x-3

4Kファスト

和義
ポリッシュよりは艶がないですがきめ細かくなってツヤツヤしてますね。
ちなみにポリッシュはどのように加工するんですか?
ゲスト(男)
ストーム、ロトグリップでポリッシュされているボールのほとんどが1500グリットポリッシュです。
360番→500番の後にステップ2というコンパウンドで磨きます

1500grit polish

フィジックスパワーエリートブルー

これが
1500グリットポリッシュ

和義
これはよく見る仕上げですね。
ありがとうございました。
ゲスト(男)
今までの加工が古いとか良い悪いの話ではなく、ボウラーのタイプやボール素材、レーンコンディションに幅広く対応するために開発されました。
和義
この玉最近曲がんなくなってきた。」とか「この玉の動きが読みにくい。」なんて時にも表面加工を変えてみるのも良さそうですね。
ゲスト(男)
 今後も素材や添加物なども新しく開発されていきます。
例えばオイル上での摩擦力が強いソリッド素材をポリッシュしたり、ドライ上での摩擦力が強いパール素材をサンディングしたりと時代背景や進化によりボウリングが楽しくスコアアップに繋がる開発を基にした素材・加工する物・加工方法に取り組んでいきます。
和義
今日はありがとうございました。
ゲスト(男)
お疲れさんでございます。

帰り際にふと振り返ると誰かが屋根にいる。
川島社長だ!

「なにやってんすか~?」

って叫んでみると

「壁の手入れ~!」
との返事でした。

まさか4Kファストか!

4Kファスト実験開始

MATSUYAさんに話を聞いていたら違いを堪能したくなったので実験してみることにしました。

ヘイロウ・エフェクト ヘイロウ・エフェクト

用意した玉は、カズヨシ溺愛の
ヘイロウ・エフェクト

500番→1000番→ポリッシュの場合

よく使う玉なのでボールの状態をいったん整えます。

表面加工 サーフェイスラボ

数分後

表面加工 サーフェイスラボ

完成!

表面加工 サーフェイスラボ ヘイロウ・エフェクト

かなり綺麗になりました。
この状態で近くのボウリング場へ行って投げてみます。

ヤングボウル 横浜

4K-fast 表面加工4K-fast 表面加工

とりあえず投げてストライクが出るとこを探していきます。

レンコン事情 かなり遅くてインサイドに入らないとオイルを感じない。

ポリッシュ仕上げ

立ち位置 27枚
スパット 15枚くらい
10枚ちょい外くらいまで出て行ってポケットまで戻ってくるライン。

感想
ポリッシュは手前も走るのでバックエンドまで行ってくれて向きが鋭く変わる印象。
手前の走りを感じられるので曲がるところを感じられるレンコンには良さそうだね。オイルが多い時には滑ってしまうと思うのでおすすめはしない。
今日のレンコンは遅めだったの手前が行ってくれるのはとても楽だったけどバックエンドの状態が通常営業の夜だっため荒れていたのでツツーっと抜けてしまう怖さもあった。

ストライクが出やすいラインも見つかったので次の表面加工を試します。

4000グリットアブラロンの場合

アブラロン ボウリング

この2枚を使って手作業でシャカシャカします。

アブラロン ボウリングシャカシャカ

アブラロン ボウリング

まず500番
終了

次は
4000番

表面加工 ボウリング表面加工 ボウリング

できた!

サンディング ボウリング

4000グリットアブラロン仕上げ

立ち位置 40枚
スパット 20枚くらい
出し過ぎると曲がりが終わってしまうし、オイルを長く使おうとしても手前で動いてしまう。
かなりインサイドに入ってやっとポケットを突いてストライクが出るラインを見つけた。

感想
4000グリットアブラロンはオイルが多い時にはいいと思う。
多少オイルがあってもブレーキがかかってくれるのでレーンメンテナンス直後やヌルヌル状態の時におすすめ。
ただし、今回のようにオイルが少ないとポケットまで届く前に動いてしまう。オイルを求めてかなりインサイドに寄れば辛うじてポケットには当たるけどストライク連発って感じではなかった。

では、4Kファストいってみましょう。
手作業では時間がかかるので、ボウリング場の人に事情を話して一旦店に戻ります。

ボウリング 表面加工

立ち位置を忘れないようにマーキング。

4Kファストの場合

サーフェイスラボ ボウリング

サーフェイスラボを使って360→500→1000→2000→3000→4000番の順に仕上げていきます。

サーフェースラボ ボウリングアブラロンをセット

サーフェイスラボ ボウリング終わったら
さらに

サーフェイスラボ ボウリング

サーフェースラボ ボウリング

アブラロンを張り替えて

サーフェイスラボ ボウリング

今回は機械を使ってやってますが、アブラロンと気合いがあれば手作業でもできますよ。

ボウリング 4Kfast ボウリング 4Kfast

いい感じに仕上がりましたのでボウリング場に戻ります。

4Kファスト仕上げ

立ち位置 32枚
スパット 17枚くらい
走るけどポリッシュのように滑る感じはしない。バックエンドの動きもしっかり出るけど急激に向きが変わらないので読みやすい。

感想
4Kファストはポリッシュと4000グリットポリッシュの中間的な感じ。手前は行ってくれるけどレーンの中盤からピンヒットまでの動きはポリッシュのような鋭さはないので読みやすいよ。
思ったよりも手前が軽快に行ってくれるしコントロールしやすいから動きが出過ぎるレンコンや、ちょい荒れてる時まで幅広く使える
実際今回のレンコンではこれが一番使いやすかった。

ボウリング 4Kfast

4Kファストのポイント

こんな動きになるよ
手前は思いのほか軽快に行ってくれるし、バックエンドの動きもコントロールしやすいから長い時間使えそう。

こんな玉に良さそうだよ
「噛みすぎやねん!」とか「行きすぎやねん!」「暴れすぎなんだよなー」など仲良くなれない玉や、こんなはずじゃなかった玉に試して欲しい。

こんな時に良さそうだよ
レーンメンテ直後からある程度使った状況まで幅広く使えると思う。ただオイルがてんこ盛りな時は行きすぎちゃうかもね。

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4Kファストのポイント

こんな動きになるよ
ポリッシュに近いけど、ポリッシュよりもまろやかに反応するイメージです!
手前の走り具合はポリッシュほどは走らない先の動きはキレるわけではなく止まってから向く「走ってキレる」ではなく「スムーズに進んで動く」といった感じでしょうか。

こんな玉に良さそうだよ
ポリッシュでは滑ってしまったり、先がキレて暴れてしまう玉。
曇っていて手前から曲がりすぎてしまったり、先が動いてくれない玉。
とりあえずイメージが合わない玉。

こんな時に良さそうだよ
引き立てで先が暴れてしまうレーンや少しゲーム数を消化してオイルが削れ始めたレーン。

ボウリング 4k-fastさあ、イメージが合わない玉や仲良くなれない玉は4Kファスト加工やってみよう。
めっちゃ強力な武器になるかもよ。


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芦川和義

神奈川県横浜市「Drill処あしかわ」完全予約制ドリル専門店店主、一般社団法人 レッシュ・プロジェクト公認 マスター級トレーナー 「ボウリング レッシュ4スタンス理論 25%の共鳴」(ベースボールマガジン社 )を執筆 同理論を元にした、ボウラー向けのセミナーやレッスン、ボウリングボールのドリルをプロアマ問わず提唱しています。 また2015年9月TBSマツコの知らない世界をはじめ多くのTV番組に出演




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