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ダイナミコアの2型が上陸っ!
過去記事でほんのちょっとだけ触れたことはあるのですが「ダイナミコアって何?」「新しい玉のこと?」って思った方のために今回はダイナミコアについて触れてみようと思います。
ダイナミコアの説明の前に
まず下のイラストをご覧ください。ボウリングボールは2層もありますが、ほとんどが3層構造になっています。
一番外側がカバーストックとかシェルと呼ばれています。レーンやピンと接するところであり、摩擦に大きく影響します。よく「オイルに強くなりました」とか「今作はパールにしました」や「このカバーはハイブリッドなんだってよ」なんて言われています。
2層目がインナーシェルとかアウターコアと呼ばれています。カバーストックとシェルの間にある2層目のインナーシェル(アウターコア)に関してはあまり話題にならないんですが、ボールの重量を調整したり耐久性に影響する部分。
中心近くにあるのお馴染みのコアです。コアは転がりやすさや立ち上がり方、曲がり方などに大きく影響してします。会話の中では「よく転がるね~」とか「先での動きが安定してる」てな感じで使われます。
今回のダイナミコアとは2層目のインナーシェル(アウターコア)の話なんです。
サンブリッジ商品開発担当者に聞いてみよう
この辺りの話は専門的になってくるので本職の人に聞いてみたいと思います。神戸まで行きたいとこですが今回はNAGEYOの相棒「ぽっぽ」に任せます。
ぽっぽよ、この質問事項をまとめた手紙を神戸のサンブリッジ本社に届けておくれ!
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では、ぽっぽが帰ってくるまでの間、少しだけダイナミコアにも触れている過去記事をご覧ください。 昨年の11月に発表されたEBI工場買収の話。そこから時は経ちついにブランズウィック工場で作られたコロンビア300とトラックの玉が発表となりました。やっぱり気になるのはエボナイトインターナショナル工場で作られていた玉との違い、これからどんな玉が発売されるのか?ってところです。今回の疑問を答えてくれる最適な人がおりましたので早速打診してこれからのコロンビア300とトラックの事について語ってもらいました。そして新発売されたオーソリティー、アウトルック、プルーフ、ラティチュードの特徴も教えてもらいましたよ 続きを見る
参考ブランズウィック工場産のコロンビアとトラックの玉 その実力を測る
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おかえり~。
和義の質問① ダイナミコアってなんですか?
2014年にカンタムを再発表した後、3年間のプロジェクト(2017年)の成果として発表されたのが ダイナミコアです。
ダイナミコア開発経緯は、「ヒッティングパワーの向上」と「ボールの耐久性強化」、そしてドリラーのための「まっすぐで正確なドリル実現」を狙いとして研究がすすめられた成果として発表されました。
このダイナミコアの特徴としては、通常コア構造に比べ12%多い運動エネルギーを生み出すほか、 クラックに対する耐久性を従来フィラー素材(フィラー素材とは2層目に使われる素材のこと)に比べ30%以上アップしていることが挙げられます。 また力学の視点において、運動エネルギー損失を抑える仕組みが含まれています。
運動エネルギーは物体そのものが動くことでもたらされるエネルギーですが、このエネルギーの向上こそ物体に衝撃が加わった際におきる反発時の運動エネルギーロスをできる限り少なくすることに繋がっているのです(※高反発の所以です)。
ゴルフクラブや金属バット、 テニスラケットも近年「遠くへ」「速く」「まっすぐに」といった高反発をアマチュアの世界では求められたり必要とされています。 ボウリングで高反発要素とは、ジャストポケットでなくとも、「メッセンジャー」や「ラッキーストライク」の発生が従来フィラーよりも増え、スコアメイクやアベレージアップへとこのダイナミコアではつながっていきます。
2ピースカンタムが大ヒットした時代はまさに、”スコアメイクが簡単”で、”驚異的な曲がりとピンアクションを兼ね備えている”、そして”ボールの耐久性向上”がずば抜けていることがヒットの要因でした。今の時代においてもこれら要素は一つも欠けてはならず、もう一度ボウラーの皆様をBrunswick工場製品でハッピーでエンジョイさせたい一心で製品化に至っています。
ダイナミコアとは…ですが、ずばり新軽量フィラー素材の特許出願中(※2017年時点) 名称です。
このフィラー素材は、微小な気泡が厚い殻で包まれている素材と想像してみてくださ い。 従来のフィラー素材は、気泡が大きく、また気泡のまわりはダイナミコアとは比較にならない厚みで あったため、気泡内部の空間部分に運動エネルギーは吸収されやすい性質で素材でし た。 しかし開発されたダイナミコアのフィラー素材は、小さな気泡空間の集まりで、一つ 一つの気泡の周りが とても厚い殻に包まれている粒子です。 そのため運動エネルギーは伝達(移動)されやすく、とてもピンが「早く」「遠くへ」飛び、想像を超えた倒れ方を実現するという結果につながっています。
ダイナミコアとは
ヒッティングパワーの向上にピンアクションが良くなる効果がある。
ボールの耐久性の強化
和義の質問② ダイナミコア2とは?
今回のダイナミコア2は、極小気泡フィラー粒子をさらに小さくそして外殻に更なる強度を上げることに成功し完成しました。
簡単に説明すれば、従来のダイナミコアに比べより高い反発係数を実現できていると いうことになり フィラー素材そのものに違いがあります。 従来のダイナミコアでは2ピースボールの70~80%の反発係数までしか実験結果での数値が得られません でしたが、今回のダイナミコア2では、2ピースボールの反発係数の基準を100とす ると、90~95% までに近づけることに成功しています。
またダイナミコアよりも、さらにフィラー素材とカバーストックやインナーコアとの 接着性が上がることに 成功したため、運動エネルギーの伝達ロスは限りなく0に近づき、ボールパフォーマ ンスの更なる向上が 実現しています。 なお2017年のダイナミコア発表時に、ボール工場の調合装置、樹脂処方、充填素材にBrunswick工場は 大きな投資を行っております。
また製造工程も大きくさま変わりしました。 今回のダイナミコア2では、充填素材の改良と変更に大きな投資を行っております 。
ダイナミコア2との違い
従来のダイナミコアよりも耐久性、反発係数が上がっている。
ボールパフォーマンスの更なる向上を実現。
和義の質問③ 2ピース構造の代名詞カンタムがなぜ3ピースに?
カンタムシリーズのコア
現在は3ピース構造が主流となっておりますが、1980~90年代にブランズ ウィック社のボールが業界を リードし大ヒットを続けていたボールは2ピースのボールが主流となっていました。 3ピースボールは2ピースボールに比べ反発係数は低く、最近まで言われていた衝撃を吸収しピンを手前に低く倒すことがピンアクションが良いボールだといわれていましたが、実は逆で、Brunswickはまさに誤った研究を進めていたと気づいたのでした。
また2ピース構造のボールには世界的な気候変動や景気・情勢、ボウラーの好むパ フォーマンスへの壁がありました。 まず2ピース構造のボールを作成する際には、重さ(ポンド)毎にコアの形状を変え なくてはならないという製造コスト面での問題が挙げられます。
製造コストが上がることで、提供価格も高くなってしまうという問題点は日本市場に おいても大きな問題です。
2つ目の問題点は、2ピース用のコアは高慣性モーメントのコアでしか作成できないという点があげられます。 高慣性モーメントにも対応可能なコンディションやスコアメイクを簡単と感じられるレーンコンディション状況はありますのでそれほど大きな問題ではなく、高慣性モーメントのコアを否定し たり今後製造を行わないということでは絶対にありませんが、昨今、多くのボウラーが求めているパフォーマ ンスには、 フックパフォーマンスを求める傾向があり、低慣性モーメントのコア設計は常時必要であると研究者は 感じています。
2ピースボールでは多くの添加剤量と種類を使用することで、素材の質量が3ピース構造よりも非常に重くなり、限られたコア形状や重さでしか製造できないため低慣性モーメントコアの設計においてもとても高いハードルがあります。 そこで注目されたのが、カバーストックとインナーコアを繋いでいたアウターコアの研究と開発となり、 2ピースの「反発係数」を今のボールへどのように完全体で移植する方法があるかを議論し、追及されてきました。
そして、ついに従来のカンタムから大きくさま変わりし、ダイナミコア2を搭載したカンタムEVOソリッドとパールの2作が2021年の11月発表に至った経緯となります。
↑クリックするとメーカーページに飛びます。
ダイナミコア2初搭載のカンタムEVOソリッドとパール
3ピースカンタムになった理由
2ピースコアは重さごとにコア設計が必要なので製造コストの問題があった。
低慣性コアを2ピースコアで作るにはハードルが高かった。
ダイナミコア2ができたことにより反発係数問題をクリアできた。
和義の質問内容④ 今後のダイナミコアについて
この質問に関しては、Brunswickから具体的な説明を受けていないため、想像での回答となります。 ダイナミコアは、今後もBrunswickとしては使用していくと思われます。 またダイナミコア2は、Brunswick工場の製品の多くに踏襲されていくと思われます。
以前にエボナイト工場との合併(買収)時に、その研究方向は真逆でした。 しかしBrunswickとしては低反発効果ではなく、高反発を前途で記載しました研究結果として導き出していたため、今後は多くのBrunswick工場製品に組み込まれていくものと想像しています。
一方で、現在ボール製造はCOVID-19の影響により、添加剤やフィラー素材の高騰、コンテナ不足による 輸送や輸出コストがアメリカのみに限らず製造国での問題となってきております。 多くのボウリング用品が大きく価格変更をせざるおえない可能性が、どのメーカーにも迫ってきています。そのため需要のバランスを考えていくうえでは、従来の「フィラー素材」も「ダイナ ミコア」も、「ダイナミコア2」も、それぞれ製品ラインナップのバランスを見据えながら搭載は 続けていくものと想像しています。
なかなか見ることはないだろうけどドリルしたボールの写真です。
上の写真はダイナミコアが発表される前のブランズウィック工場のボールです。白いので通常のフィラーということですね。
こちらはダイナミコア。本当に青色をしています。
他社のインナーシェル(アウターコア)はどうなんだろう?
実は2層目の構造については他のメーカーも独自の考えを持っていて製品化されています。
アメリカンボウリングサービス
NANODESUやアブソリューションに代表される国産ボールには「衝撃吸収コアシステム」があります。こちらはダイナミコアとは真逆の考え方で2層目のインナーシェルを柔らかく(硬度56度)つくることでピンヒットした衝撃を吸収してボールがずれないようにしたことと、ピンを低く飛ばす狙いがあります。
EBI時代のコロンビア300
ブランズウィックに吸収される前のEBI(エボナイトインターナショナル)時代のコロンビア300はHST(ハイパー・ショック・テクノロジー)を謳っておりABSと同じく衝撃を吸収する狙いがあったようです。
HSTは薄いグリーンでした。
ハンマー
ハンマー社のほぼ全部にカーボンファイバーが混ぜられており「ピンアクションの向上」と「耐久性アップ」を目指しているそうです。
↑このマークが目印
ボールによってですがグリップ力を増すためにカバーストックにもカーボンファイバーが混ぜられているようですのでお間違えなく。
カバーストックとコアの間のまとめ
毎月発売されるボウリングの玉はボウリングを愛する者たちにとって楽しみにしているアイテム。「今度発売されるボールはオイルに強いんだって~」とか「めっちゃキレる玉が出るらしいよ」とか「〇〇シリーズの新作出るね」なんて会話があちらこちらで飛び交ってますが、これからは
「インナーシェル最強はダイナミコア2だろ!」
とか
「私は衝撃吸収系が好きだわ♡」
なんて会話が出てくるかもしれませんね。
山下さんありがとうございました。