表面を制するの者は世界を制す!
と、誰かが言っていました。
近年の多様化しているオイルパターンを攻略するためには投球技術はもちろん、レンコンの変化に合わせたボール選択がとても重要になってきます。さらには箱出し(買った時の状態)のままではなく自分でシャカシャカしてボールの表面を加工することは、もはや必要な技術と言ってもいいでしょう。
※各ボウラー団体、その他大会等で表面加工のルールが異なりますので参加されるボウラーはご確認ください。
ここ最近はメーカーも○○仕上げ、○○グリット、○○ポリッシュなど様々な表面加工をしています。
最近はストーム、ロトグリップ、900グローバル製品に4Kファストという仕上げを施してあります。
4Kファスト仕上げ
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4K-Fastってご存じですか? 教えてもらって投げてみました。
4Kファストって聞いたことありますか?ここ最近ストーム、ロトグリップ、900グローバルの玉の表面仕上げです。聞きなれないので一体それが何なのか?どんな効果があるのか?気になって気になって仕方ない。となれば聞きに行くしかないよね。
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でもさー、こんな風に思ったことないですか?
あんまりやったら
小さくなっちゃうんじゃないの?
確かにシャカシャカしていると削った粉は出てくるので小さくはなっていそう。
「シャカシャカしすぎて④⑤の間を抜けた!」
「⑩ピン獲れなくなった!」
なんてのは嫌だもんね。
実際に表面加工してみたらボールの直径はどのくらい小さくなるのだろうか?をテーマにして実験してみようと思います。
実験方法
2000番、1000番、500番、360番(数字が大きいと細かく小さいと粗い)のアブラロンをサーフェイスラボにセットしてそれぞれ4分間当てていきます。
それぞれの番手の前後での大きさを計測してどのくらい小さくなったのかを調べます。
シャカシャカとは?
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箱出しが最強ってわけじゃないんだぜ! 状況に合わせてシャカシャカできるようになりましょう
ボウリングボールの表面加工ってとても大切なの知ってましたか?なんとなく気にせずに使っていた人も多いかと思いますが、レーンコンディションに合わせたり、所有しているボールの特性を際立たせたり、ボールのメンテナンスという意味でも大切なんですよ。今回はボールの事ならおまかせ芦川和義がアブラロンの使い方やどんな目的で使うのかを解説しました。自分でシャカシャカできるようになると間違いなくボウリングの幅は広がるよ
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準備
今回はボールの直径を調べるためにダイヤルゲージという専用の計測器を使います。
何となくどれも同じ大きさに見えるボウリングの玉ですが実は個体差があり、その大きさには下記のようにルールで決められています。
JBCより一部抜粋
ボールの円周は 27.002 インチ(68.58 センチメートル)以下、26.704 インチ(67.83 センチメートル)以上であるとする。
直径は 8.595 インチ(21.83 センチメートル)以下、8.500 インチ(21.59センチメートル)以上であるとする。
まずこのゲージをボール最小径8と1/2インチ(215.9mm)をゼロに設定。
インチだと慣れていないからわけわかんなくなるので以降はミリメートルで表現します。
これで良し。
ボールの最小径215.9mmで最大径218.3mmなので約2.4mmの許容範囲があります。つまりこのゲージで言うと0.00mm~2.40mmまでは規定内となるわけです。
試しにいくつかボールの大きさを調べてみましょう。
検査したボールは全て0.00mm~2.40mmの範囲内に納まっています。注目していただきたいのはボールの大きさは微妙に個体差があり、紹介した4個の中でも直径で1mm程度の差がありますね。
実験開始
では今回の実験に使用するカズヨシの古くからの相棒。(秘かに復活して欲しいという熱い想いを東京都大田区北馬込あたりに送り続けている。)
900グローバルのEON
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900GLOBAL EON イオン
パール素材だが滑りすぎない強い素材を使用しています
行く感じはあるが行きすぎない先では扱いやすいゆったり動きだが、しっかり動いてくれるのでいろいろな人にちょうどよい玉となると思います
色がとっても綺麗だよ
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まずはアブラロンを使う前に、この子の3サイズを測ってみます。
上下の直径は215.9㎜+1.48㎜で
217.38㎜
左右の直径は215.9㎜+1.26㎜で
217.16㎜
天地の直径は215.9㎜+1.17㎜で
217.07㎜
3か所の平均値
217.20㎜
さあ、ここからサーフェイスラボを使ってアブラロンかけまくっていきます。どのくらい小さくのなるのか楽しみです。
サーフェイスラボが活躍した記事
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実験した結果ポリッシュは下地処理でかなり動きが違うんだぜ!
ボールの表面を制する者は世界を制すって誰かが言っていましたが今回はポリッシュ加工について詳しくお伝えしようと思います。ツルッツルの加工とやや艶ありの加工ではボールの動きに違いが出るのは想像できますよね?今回はドリラー芦川和義が雨の中ボウリング場とDrill処あしかわを行ったり来たりして実験をしてきました。動きがイマイチな玉やイメージが合わない玉があったら加工して試してみよう!いきなりいい動きに変貌するかもしれないぜ
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2000番のアブラロンを4分間かけます。
・
・
・
4分後
↓
艶がなくなりました。
どのくらい小さくなったのか計ってみましょう。
上下の直径は215.9㎜+1.48㎜で
217.38㎜
か、変わっていない!
左右の直径は215.9㎜+1.25㎜で
217.15㎜
天地の直径は215.9㎜1.16㎜で
217.06㎜
3か所の平均値
217.19㎜
実験結果①
1000番のアブラロンを4分間かけます。
しっかり曇らせたい時に使うことが多いと思います。
↓
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・
・
4分後
↓
だいぶ粗くなりました。
2000番あてた状態からどのくらい小さくなったのか計ってみます。
上下の直径は215.9㎜+1.46㎜で
217.36㎜
左右の直径は215.9㎜+1.23㎜で
217.13㎜
天地の直径は215.9㎜+1.14㎜で
217.04㎜
3か所の平均値
217.17㎜
実験結果②
これも2000番よりは小さくなったとはいえ、ほぼ変わんないって言っていいんじゃないか?
もうひとつ気づいたこと
それは
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・
・
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さてさて、眠くなる前に次行きますよ。
500番のアブラロンを4分間かけます。
オイルがめっちゃ多い時やウレタンボールが滑る時に使う人が多いかな?
↓
・
・
・
1000番あてた状態からどのくらい小さくなったのか計ってみます。
上下の直径は215.9㎜+1.40㎜で
217.30㎜
左右の直径は215.9㎜+1.17㎜で
217.07㎜
天地の直径は215.9㎜+1.08㎜で
216.98㎜
3か所の平均値
217.11㎜
実験結果③
ここまで2000番、1000番、500番をそれぞれ4分間サーフェイスラボを使ってかけました。
合計でどのくらい小さくなったのかというと約0.09㎜
一般的なコピー用紙と同じくらいだそうです。
んじゃ、次行きますね。
360番のアブラロンを4分間かけます。
かなり粗いので日常的にはあんまり使わないかな。
↓
↓
・
・
・
4分経過
500番あてた状態からどのくらい小さくなったのか計ってみます。
上下の直径は215.9㎜+1.33㎜で
217.23㎜
左右の直径は215.9㎜+1.02㎜で
216.92㎜
天地の直径は215.9㎜+1.01㎜で
216.91㎜
3か所の平均値は
217.02㎜
実験結果④
やっぱりアブラロンの目が粗いのでその分小さくなるね。
実験はここまでの予定でしたが、カズヨシ自身が楽しくなってきましたので続けます。
180番のアブラロンを4分間かけます。
ちょっとやってみたくなりました。
・
・
・
4分経過
ザラザラすぎだろw
このままは投げたら届かなそう。
360番あてた状態からどのくらい小さくなったのか計ってみます。
上下の直径は215.9㎜+1.18㎜で
217.08㎜
左右の直径は215.9㎜+0.92㎜で
216.82㎜
天地の直径は215.9㎜+0.91㎜で
216.81㎜
3か所の平均値
216.90㎜
実験結果⑤
ちなみに壱万円札1枚がおおよそ0.10㎜の厚さだそうですよ。
ってことは百万円て1㎝の厚さしかないのか…。もうちょいあると思った。
実験結果まとめ
2000番、1000番、500番、360番、180番のアブラロンをサーフェイスラボでそれぞれ4分間かけてみた結果です。
参考
日本人の平均的な髪の毛の太さ 約0.08㎜
一般的なコピー用紙の厚さ 約0.09㎜
壱万円札の厚さ 約0.10㎜
いかがでしたか?
個人的には500番以下の粗い番手に関してはもっと小さくなるかな?って思っていました。
冒頭でもお話したようにオイルパターンや所有している玉のラインナップなどにより自分でシャカシャカするのは必要なスキルと言ってもいいでしょう。細かい番手であれば100分の1㎜程度しか小さくなりませんので日常的にシャカシャカして大丈夫か?って思う人も、なんだか表面をいじると小さくなっちゃいそうで不安と思う人も今回の実験データを参考にして頂ければと思います。
んじゃ、実験に使ったEONはこのままだと使い道はないから戻そっと。
360番
↓
500番
↓
1000番
↓
ポリッシュ
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・
・
ツヤツヤになったー!
上下の直径は215.9㎜+1.15㎜で
217.05㎜
左右の直径は215.9㎜+0.87㎜で
216.77㎜
天地の直径は215.9㎜+0.86㎜で
216.76㎜
3か所の平均値
216.86㎜
実験結果⑤
360番を2分+500番を2分+1000番を2分+ポリッシュを3分25秒で0.04㎜小さくなった。
結果的にこの実験では
約0.33㎜
小さくなりました。
↓アフター
小傷も取れて綺麗になったのでこの子にはまだまだ頑張ってもらうことにします。