皆さんボウリングの玉の中にコアと呼ばれる物体が埋め込まれているのはも知っていますよね?
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こんなの
そのコアの役割については以前、日坂教授に教えていただきました
まだ読んで無い方はとっても大事なので是非読んでみてください
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ボールの曲がりの三大要素は
投げ方
レーンコンディション
ボール
教授は我々にそうやって説いてくれました
そして、ボールが曲がるために一番影響を与えているのはレーンとの
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摩擦
さらに、深いところへ進んでいくとボールの慣性(RG)についても話が進み、コアのグラつきの効果(⊿RG)によるトラックフレアの大きさも教えてくれました
ボウラーの会話の中でもボール話は尽きないですし興味のある所
私、芦川自身もドリラーという仕事柄、今使っているボールのラインナップを見て次に購入する玉はどんなものが良いかなどのアドバイスをしています
その中で外せないのがコアの話
もちろんボールとレーンが直接触れる表面素材が一番摩擦に大きく影響しているのはみなさんも想像つきやすいと思いますが、なかなか伝えにくいし伝わりにくいのがコアの力です
メーカーの動画やカタログでも新しいコアを搭載し転がりやねじれが強く出るなどの言葉がよく出てきます
ボールのコア情報はどうやって得るのか
実物のコアを見るには工場でボールに収監される前のコアを見るかボールを割ってみるしか無い
実際、コア実物に面会出来たとしてもコアを知る事は難しいでしょう
そんなボールの中で孤独に暮らすコアの事を知る一番早い方法は
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カタログやメーカーの詳細ページ、みんなのレヴューに記載されています
詳細スペックの中の
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RGと⊿RG
(アールジーとデルタアールジー)
この数値がコアを表す指標です
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ただ
数値見ただけじゃ
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コア違いでどんな違いがあるのか
実験します
今回のレギュレーション
①コアの違う玉を3個用意
但し、同じ表面素材・同じ表面加工・同じレイアウト
②僕を含め数人のボウラーに投げ比べてもらう
③感想やどんなレンコンで使いたいかなどを聞いてみる
レギュレーション①:コア違いのボールを3玉用意
ENTRY1
- storm マーベル・レトロ
- 表面素材 R2Xソリッドリアクティブ
- コア名 セントリピタル
- RG 2.480 ⊿RG 0.050
- 使用状況 半年くらい
ENTRY2
- storm ロケット・シップ
- 表面素材 R2Xソリッドリアクティブ
- コア名 ブースター
- RG 2.540 ⊿RG 0.046
- 使用状況 新品
ENTRY3
- storm オプティマス・ソリッド
- 表面素材 R2Xソリッドリアクティブ
- コア名 トライスフィア
- RG 2.480 ⊿RG 0.048
- 使用状況 10ゲームくらい使ったけど今回のためにプラグ
※本来であれば全く同じ表面素材を選びたかったがR2Sソリッドリアクティブが手に入らなかった為、若干オイルに強いと言われているが同等レベルのR2Xソリッドリアクティブをチョイス
準備① 表面事情
まずは表面を可能な限り同じにしたいのでお手入れ
半年くらい使っているマーベル・レトロの性能をちょっとでも戻すためにオイルリムーバーを使う
次に3個の玉を同じ表面加工にするため
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シャカシャカタイム
500番
↓
1000番
↓
2000番
3個の玉を全部手作業で加工
↓
完成
準備② ドリル
既に穴が開いてるマーベルレトロと同じレイアウトにしてドリルする
走りもそこそこ感じられて、先での動きもしっかり出るよっていうレイアウトです
専門的に言うと、ドリルアングル70度、PIN-PAPが4・1/2インチ、VAL角50度
70×4 1/2×50
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線を引き終わったので次はドリルだ
↓
↓↓↓
↓↓
↓
完成
これにてコア違いでその他はほぼ同等なボール3種の準備が整いました
ボール毎に動きが違う場合、コアの違いによる特性と言えるでしょう
はたして体験できるだけの違いを感じる事ができるのか?
それとも、良くわからないぐらいの違いしかないのか?
乞うご期待
いざ投球実験会場へ
ボウリング場でドリルしたボールを持って別のボウリング場へ投球実験しに行くと言う一瞬無駄とも思えるコノ移動は、投球実験する場をとある方の晴れ舞台で行う為であります
とある方
↓
はい!松Pチャレンジを投球実験の場に選んだのであります
3Gの大会なので1ゲームごとにボールチェンジして表面同等、コア違いのボールを投げ比べてみます
投げ比べた感想 カズヨシ編
事件です!
練習時間に3個のボールを投げ比べた段階で
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実験結果が出てしまいました!
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予想以上に
動きが違います!
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せっかくの晴れ舞台参加で3G有りますので更に結果を追うため動きの違うボール達を良さそうな順番で決め投球します
先発は
↓
今回のコアの中では一番RGが大きいので走りがでます
メンテ直後の先がハッキリ、クッキリ曲がるので、ちょっと走りを感じるコアのほうが投げやすかった
また、⊿RGも今回の中では一番小さいので、曲がりすぎて厚めに刺さることもなくポケットに集めやすかったです
1G目の終盤になると、若干キャリーダウンを感じてきた
中継ぎ
↓
このコアを2ゲーム目に選んだのは、キャリーダウン傾向にあるレンコン事情になってきたため、思っていたよりも先まで行き過ぎてしまいそうだったので、ブースター・コアよりもRGが小さいトライスフィア・コアにしました
⊿RGも若干大きくなったため、幾分強く動きを感じるかと思ったが、RGが低いせいかコントロールできる範囲だった
このコアにしたことにより、ノーヘッドの不安からも解消されて安心して投げ続けることができた
ちなみに立ち位置も投げるラインも1ゲーム目と全く一緒だったが、手前のオイルが薄くなるのを感じ出して終盤は内側に立ち位置をずらした
抑え
↓
2ゲーム目の終盤に立ち位置を中に移動したことで、先の動きが物足りなく感じていた
そこで、最終ゲームは⊿RGが一番大きなセントリピタル・コアにした
それにより、先での曲がり幅が大きく取れるので、しっかりとポケットに当たってたくさんストライクが出た
投げ終わった感想
早々に違いが出る事が判明したので、よりコアの違いを感じるために、毎ゲーム違う玉で投球してみました
難しいコンディションではなかったので、どのボールでもポケットには行ったが、立つ位置やラインはほとんど違いは無かった
■結論■
違いがあるとしたらボールの動き出し
動き出してから先の違いはすごく感じる
コア数値によるボールの動き情報
先まで行って欲しい時はRG高め
手前で動き出して欲しい時はRG低め
先での動きが出過ぎる時は⊿RG低め
先の動きが欲しい時は⊿RG高め
これらをうまく組み合わせてラインナップを組むと、オイルパターンやコンディションの変化にうまく対応しやすくなります
■指標■
RG2.550以上高め 2.480以下低め 間を普通
ΔRG0.050以上高め 0.030以下低め 0.040台普通
投げ比べた感想 数人にお願いしました
僕以外で僕のボールを使えそうな人に声かけて投げ比べてもらいます
投手ラインアップは以下の通り
1人目
- 我らの
- 松P
2人目
超速スピード女子ボウラー
3人目
タイトなラインが得意な男子
4人目
ビッシビシ投げる女子
5人目
レーンを端から端まで使うダブルハンドボウラー
ブースター・コア RG2.540 ⊿RG0.046 (ロケットシップ)
- 松P
- すごく行くように感じて、先の動きも鋭角に出るので中から投げて先の動きが必要と感じたときには投げてみたい
- 超速女子
- 走るし先でのキレが出る
- タイト男子
- 起き上がってくるのが遅いから、レーンが遅くないと曲がりを感じる前に当たってしまう
- ビシビシ女子
- そのまま真っすぐ行ってしまうのでレーンが遅くならないと曲がらない感じがする
- ダブルハンド男子
- 先の動きが安定している
トライスフィア・コア RG2.480 ⊿RG0.048 (オプティマス・ソリッド)
- 松p
- 手前で強く反応して先まで行かないから、レーンが遅く感じる
- 動き出すのが早いからオイルが多くて流されてしまう時に使ってみたい
- 超速女子
- しっかり向いてくれるから安心
- タイト男子
- 起き上がるけど先の動きが出ないから、オイルのあるところを狭く投げたい
- ビシビシ女子
- 奥で向いてこないから曲がりすぎて困る遅いレーンで使いたい
- ダブルハンド男子
- 先での動きが物足りないが、オイルが枯れちゃって裏しか行かない時には良いと思う
セントリピタル・コア RG2.480 ⊿RG0.050 (マーベル・レトロ)
- 松p
- 丸く曲がるのが印象的で、レーンコンディションが読みやすいし、過敏な反応しないからレーンと喧嘩しないような印象
- 超速女子
- ずっと同じ感じで曲がりは出るのでおとなしい印象
- タイト男子
- 向く力が強いので曲がるボールって感じ
- ビシビシ女子
- 曲がってくるので早いレーンでも安心して投げられそう
- ダブルハンド男子
- 予想がつきやすい動きで、持っていたらよく使いと思う
実験結果をまとめ
コアの違いによってボールの動きは思っていた以上に大きく差が出ます
同じコンディションで投げているが、コアによって投げる幅が広く感じたり、逆に狭く感じたりするので、ポケットには行くのにうまくストライクが出ないとか、1本残っちゃうなんて時はコアの違うボールを投げてみるなんて選択もできます
■RGについて
違いをすごく感じました
ブースター・コア(ロケットシップ)はトライスフィア・コア(オプティマス・ソリッド)とセントリピタル・コア(マーベル・レトロ)と比べるとかなり高めの数値でしたが、ほぼ全員走ると表現
またRGが2.480と同じ数値だったオプティマス・ソリッドとマーベル・レトロは動き出しはあまり違いはなかった
■⊿RGについて
トライスフィア・コア(オプティマス・ソリッド)とセントリピタル・コア(マーベル・レトロ)は動き出しはあまり違いはなかったが、そこから先の動きはびっくりするほど違った
⊿RGの差がたった0.002だったので、そこまで変わらないかな?って思っていたけど予想以上の違いに正直ビックリした
コアの力や特性については、似た数値であっても形状の違いなどにより数字では伝えきれない、表現しきれない部分もあると思うので、自分の気に入ったボールがあったら同じコアの違う持つのが失敗のリスクが少ないと思うので、玉を買う時は気に入ったコアを探すのもありですね
そう言えば、MATSUYA氏もインタビューで
「好きなボールがあったとしたら、そのシリーズで追いかけるのが良いと思います」
って言ってたのを思い出した
- 結論
- ↓
①コアの違いはボウラーが思っている以上にある
②カタログに書いてあるRG、⊿RGになどにより、曲がりの特徴は大まかなイメージとしては伝わる
【例えば】
RGが高いから手前は軽快に走るボール
⊿RGが低いから先の動きはおだやかなボール
③ボウラーが感じる微妙な違いは数字だけでは表現しきれない部分もある
コアだけに奥が深い部分なんだね