一年が過ぎる感覚は年齢によって違うと言いますが、私にとっての一年はもはや「前半」「後半」の2部構成で過ぎていくような感覚です。 「暑いなぁ」と言っていたら「寒いなぁ」になり、恒例の大会をこなしているうちに、気づけばあっという間に師走。
さて、皆さんの2025年はどんな年でしたか?
ストライクはたくさん出ましたか?
目標は達成できましたか?
どんな人達と、どんなボールに出会いましたか?
今回は私が2025年のボウリングシーンを振り返り、特に印象に残ったことを少し真面目にお伝えします。
高難度パターンでもハイアベレージ
ここ数年、プロ・アマ問わず大会のスコアアベレージは明らかに上昇しています。 男子で上位に食い込むためには、220アベレージが最低ラインと言える時代になりました。今年の各大会を振り返っても全体的に好スコアが目立ち、今では3ゲーム700シリーズも決して珍しい数字ではありません。
以前なら「ロースコアの我慢大会」になるような、攻略が難しいと言われる高難易度のオイルパターンであっても、数年前とは比較にならないほどのハイスコア合戦が繰り広げられています。 もはや、「難しいレーンだから打てない」という言い訳が通用しなくなっているのです。
この過酷なハイスコア時代でストライクを続けるためには、以下の要素が不可欠です。
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オイルパターンを素早く読み解く力
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ストライクラインの幅を見つけられる
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オイルの変化(削れ・伸び)への対応
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自分の球質(回転・スピード)を客観的に理解する
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それを活かせるボールを持っている
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状況に応じて、迷いなくボールチェンジできる決断力
こうした「オイルパターンの攻略」と「それにマッチした道具選び」の精度が、かつてないほど重要になっています。 今はまさに、体力や技術だけでなく、知恵と道具を駆使してストライクを量産する時代なのです。
忙しい現代人こそ「チームわたし」を構築しよう
ボウリングだけに没頭できる環境を持っている人は、私たちプロボウラーの中にさえほんの一握りしかいません。プロですら、すべての知識を網羅し、自分ひとりの力だけで臨んだ結果を残し続けるのは至難の業なのです。
ましてや、学業や仕事に家事、子育てにと日々追われているアマチュアボウラーの皆さんが、その忙しい合間を縫って上達しようとするなら尚更です。 やっと確保した貴重な時間を、ボールの複雑なスペック研究や、専門的なドリル知識の習得にまで割いていては、肝心の「投げる時間」がなくなってしまいますよね?
だからこそ、信頼できるドリラー、プロショップ、指導者(コーチ)を持つことが、最短距離で上手くなるための必須条件になります。
「ひとりで黙々と頑張る」その姿勢はもちろん尊いものです。しかし、今のボウリング界は進化のスピードが凄まじく、独学だけでその波についていくのは正直かなり厳しい時代だと感じています。
自分を助けてくれるスペシャリストたちと連携し、あなただけの「チームわたし」を作ってみてください。
ヒーロー稼業も忙しいしチーム作るか。
YouTubeは「見る」だけでなく「話す」ことで完成する
YouTubeは、知識を得るための本当に素晴らしいツールです。多くのプロが惜しみなく技術を公開しており、これを利用しない手はありません。
しかし、画面越しに情報をただ「受け取る」だけでは、本当の上達には繋がりません。 大切なのは、その情報を元に「自分はこう感じた」「こう思った」を言葉にし、相談できる相手がいることです。
「動画ではこう言っていたけれど、自分の感覚とは少し違う気がする」
「あの人の動画とは違うこと言っているけど、自分にはどっちが合っているのか?」
そんなふとした疑問や違和感をぶつけ合い、答え合わせができる「生身の会話」があってこそ、YouTubeで得た知識も真価を発揮します。 インプットした情報を、信頼できるパートナーと共有・消化するプロセスこそが、忙しい皆さんのボウリングを一段階上へと引き上げてくれるはずです。
ここで頼りになるのが、先ほど提案した「チームわたし」です。 あふれる情報を一緒に整理し、あなたにとっての正解を導き出してくれる「チーム」がいてこそ、動画の知識は迷いではなく「力」に変わります。
進化するボールと、迷わないための「情報活用術」
毎月、毎年、覚えきれないほど多くのボールが発売され、開発競争は止まりません。 最近ボウリングを始めた方は驚くかもしれませんが、昔は発売されるボールの種類が少なく、多くの人が同じボールを投げていました。新製品が出るたびに、その曲がりやピンアクションに一喜一憂したものです。
現在はどのメーカーのボールも非常に優秀ですが、逆に言えば「自分に合うボール」「求めているボール」を選び出す難易度が上がっています。
各社毎月新製品が発売されていくので、ボウラー自身の情報のアップデートがなかなか追いついていかないと思います。
そんな時は、情報をうまく組み合わせてみましょう。 まず、各メーカーが発信している公式情報や動画で「どんな意図で作られたボールか」を確認します。
▼国内四大メーカー公式サイト
そこにプラスして、ドリラーカズヨシの考察や、実際に投げたボウラーの声が集まる「みんなのレビュー」を覗いてみてください。
↑画像クリックでみんなのレビューページへ進みます。
「メーカーの情報」に「現場のリアル」が組み合わさると欲しいボールが見えてくるんじゃないかなと思います。
2025年 松Pのベストボール
私はボールを無尽蔵に持ちたいタイプではありません。 信頼できる「好きなボール」を4個持ち、その4個のスペックが偏っていたら足していく、という考え方でラインナップを組んでいます。 「非対称コアのボール4個」とか「ソリッドリアクティブ4個」といった偏りにならないよう、対称コア・非対称コア、パール・ハイブリッド・ソリッド それぞれをバランスよく持つように心がけています。
非対称コア?対称コア?の記事
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対称コアと非対称コアってよく聞くけど何が違うの?
ボウラーの間の会話でよく出てくる対称コアと非対称コア。よく聞くワードだけどぶっちゃけどんな違いがあるのでしょうか?そんな疑問を持った松Pが「あのお方」に基本的な事から聞いてきましたよ。
続きを見る
カバータイプの記事
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ソリッドとハイブリッドとパールと私
ボウリングのボールを買う時にソリッド、ハイブリッド、パールって聞いたことありませんか?でもそれって何のことなんだろう?ってボウラーのために、松Pがあの人に質問してきましたよ。ボールを選ぶときの参考にしてくださいね。
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その厳しい選定基準の中で選んだ、私の2025年ベストボールがこちらです。
BRUNSWICK社:COMBAT(コンバット)
BRUNSWICK社
コンバット

スピードがない、回転数が少ない私でも、このボールなら「投げたいところ」に自信を持って投げられます。 私のラインナップの中間をしっかりと埋めてくれる存在で、レーンの変化にも対応でき、変化についていける。本当に気に入っています。
多様化するスタイルと、加速するレーン変化
今では男子だけでなく、女子ボウラーでも両手投げの選手が増えています。さらにサムレスやバックアップボウラーも加わり、
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右投げ・左投げ
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片手・両手
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サムレス・バックアップ
と、ボウリングスタイルは非常に多様になりました。 そして、昨今の両手投げを代表とする「高回転ボウラー」の増加は、ボウリングというスポーツをよりダイナミックに進化させています。
強い回転のボールが飛び交う現代のレーンは、オイルの変化も非常にスピーディーです。 そのため、 「さっきのゲームまでは良かったから」 「この前はこのボールで打てたから」 という成功体験は、残念ながらその瞬間にはもう通用しなくなっていることがほとんどです。
大切なのは、過去のデータや経験を十分に活用しつつも、それだけに縛られないこと。 目の前の「今」をしっかりと感じ取り、刻一刻と変化するレーンに合わせ続けること。この「リアルタイムな対応力」こそが、これからの時代を生き抜くために最も大切なスキルなのです。
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2026年に向けて
私にとって2025年は、ボールの進化を肌で感じながら投げたいように投げ、さまざまなオイルパターンを経験し、好スコアを狙えるボウリングになったと、強く手応えを感じた一年でした。 同時に、時代が変わっても「変わらずに大切にするべき基礎」も再認識できた年でもありました。
今年もNAGEYOの記事を読んでいただき、 「練習に取り入れました」 「ボール選びの参考にしました」 「小物入れ記事が好きです」 など、多くの温かい声をかけていただき、本当にありがとうございました。その言葉が、裏付けを取って記事を書く私の原動力です。
2026年も、趣味として、スポーツとして、生きがいとして、仕事として、あるいは世界で活躍する選手まで。ボウリングに関わるすべてのボウラーを、これからも応援していきたいと思います。
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絶好調‼
来年も、ガンガンストライク出しまくってくださいね!









