こうして振り返ってしまえば2024年もあっという間に大晦日となりました。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
大みそかに公開する定番のこれからいきましょう。
ドリラー芦川和義が選ぶ
勝手に
何となくこれやんないと一年が締まらないんだよね。
2024年も主要4社(ハイスポーツ、ABS、サンブリッジ、レジェンドスター)から新製品が発表されてきました。特に各社HPに新製品情報が更新される月末から月初にかけてはワクワクしている人も多いでしょう。
どんな玉が発売されるのか?
良さげな玉はありそうか?
今話題の玉はどうなんだ?
当然ドリラーカズヨシとしても毎月のルーティーンになっています。
今年発売された全ての玉を書き出して、思い出しながら発売された総数を数えてみました。
新製品
132個
※他にも再版もありますからもうちょっとあるね。
この中からソリッド、パール、ハイブリッドの部門に分けてベスト3を発表させていただきます。
史上にもう売っていないものもあるかもしれませんが、もしどこかで見かけたら使ってみてくださいませ。
ソリッド、ハイブリッド、パール?
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ソリッドとハイブリッドとパールと私
ボウリングのボールを買う時にソリッド、ハイブリッド、パールって聞いたことありませんか?でもそれって何のことなんだろう?ってボウラーのために、松Pがあの人に質問してきましたよ。ボールを選ぶときの参考にしてくださいね。
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ドリラー和義が選ぶ ソリッド素材の部 発売数31玉
ソリッドの特徴
ソリッド素材は、オイルの多い場所でも比較的レーンをキャッチしようとするのが特徴です。レーンの中間からバックエンド(ドライゾーン)で、動きが読みやすく、コントロールしやすい性能の玉が多いです。
派手な曲がり方はしませんが、滑りすぎたり、急に曲がりすぎたりしないので、オイルが多いレーンやオイルの量にムラがあるレーンで使いやすいです。
特に「どのボールを使えばいいかわからない」という時にもおすすめです。
当然持ってますよね?
だってこんなに便利な玉ってあんまりないですよ。まず、カバーストックにはR2Sソリッドリアクティブが使用されています。適度なキャッチを感じますがガブガブ、ガジガジするようなカバーではないので適度に進んでくれるのに、セントリピタルHD-AIコアとの組み合わせでレーン中盤からピンヒットするまでの持続する曲がりは、とても読みやすい動き。
そんなわけで難易度が高めのレンコンや荒れているレンコンなどでは持っていてよかったって思えるでしょう。箱出しは4000グリットアブラロンとなっていますが、ポリッシュして使えば遅めのレンコンで使いやすいですし、粗めのアブラロンで軽くこするとオイルが多い時にも合わせやすいよくできた玉です。
流石に市場では見かけなくなってきましたが、コントロール性の高い玉を探している人は見つけ次第ゲットしてみましょう。
HAMMER EFFECT TOUR エフェクト ツアー
わー最後の最後までコレと迷った―。
発売と同時に市場から無くなった初代エフェクト。そのコアについていたフリップディスクを外したコアにあえてHK22じゃないTOUR V3 SOLIDを使用しています。これによりバックエンドの動きに持続性を持たせていますので、変化が激しい時間帯、荒れている、幅が感じられない、よくわかんない。って時に使ってほしい玉です。
コレはまだ発売されたばかりなので比較的手に入りやすいと思われます。
コレも持っていて欲しい玉のひとつです。人気のアブソリュートシリーズにR2Sディープソリッドリアクティブを使用していますので、ハウスコンディションはもちろん、難しくなった時、オイル薄めの荒れた時などいろんなレンコンで使えるよくできた玉です。
ただしソリッドリアクティブといえど、摩擦は大きい素材ではないので適度に前に進んでくれます。オイリーレーンはしんどいかも知れませんが、それ以外はこれで何とかなっちゃうんじゃないか?ってほどの戦闘力です。
ドリラー和義が選ぶ パール素材の部 発売数68玉
パールの特徴
リアクティブ素材にパールを混ぜることで、オイルの上での摩擦を抑える効果があります。
これにより、ボールがオイルゾーンをスムーズに進みやすくなり、ピン手前までフッキング(曲がる動き)に必要なエネルギーを保つことができます。そのため、「よく走り、しっかり切れる」動きが特徴的です。
以前は、パール素材のボールはピン手前で動きが不安定になることもありました、最近ではコアの設計やカバーストックの進化により、使いやすさが大きく向上しています。
毎年秋に発売されるツアープレミアム。発売時期がボジョレー・ヌーヴォーの解禁日に近い時こともありボウラーには秋の楽しみのひとつです。
プレミアムコアを使用して、カバーストックを毎年変えて来ています。特に印象の残るツアープレミアムとしては、初代、4、6がものすごく仕上がりが良くていつまでも投げていたい衝動にかられました。その3機種を凌駕するようなできなのがこのツアープレミアム8です。数年後伝説になるんじゃないかとまで思っています。
新開発のナノボンドパールリアクティブはレーン手前の走りは軽快ながらも、バックエンドに差し掛かる少し手前のキャッチがいいのもあり、パールリアクティブ特有のキレに安心できるキャッチが感じられます。
まだ製造していますが、なかなか手に入らないので時間はかかるかもしれませんが迷っている人、ツアプレ使ったことない人、良い玉ないかなー?って探している人はコレにしてみましょう。
HAMMER BLACK WIDOW NIGHT MARE ブラックウィドー ナイトメア
2023年は「HK22」をベースにしたボールが大注目されました。2024年も引き続き、このベースを採用した多くのモデルが登場しています。
今年は特に、「HK22」のベースカバーに「コヒージョン」と呼ばれる添加物を加えたモデル。「HK22」はバックエンドでの反応(レスポンス)が良く、鋭く向きを変える特性があります。一方、「コヒージョン」はオイルゾーン後半でのレーンキャッチ力を高める効果があるので、「鋭さ」に「しっかりしたグリップ」が加わった仕上がりとなっています。さらに、このカバーにブラックウィドーの「ガスマスクコア」を組み合わせることで、圧倒的な戦闘力を誇る玉に仕上がっています。
「HK22」と「コヒージョン」の組み合わせ(HK22Cとも表記)は、2025年の人気ボールブランドの勢力図を大きく塗り替える可能性があるんじゃないか?って感じています。
古から伝わるライトバルブコアにHK22ベースのアクティベータプラス3.0パールの組み合わせです。
時代を超えても信頼できるコアを現代でも使えます。レーンの手前は伸びのある走りがあり、バックエンドでは対称コアらしい持続性のある曲がりが出やすいので使う場面はかなりあると思います。
オイルが少なく感じる時や、遅くなってきたぞーって時には使ってほしいです。
色もアイボリーで珍しいよね。
ドリラー和義が選ぶ ハイブリッド素材の部 発売数31玉
ハイブリッドの特徴
ソリッド素材とパール素材を組み合わせた特徴は、ソリッドの安定感とパールのキレを融合させた“イイトコ取り”です。このため、さまざまなレーンコンディションに対応しやすいという特徴があります。
ただし、言い方を変えると、ソリッドほどの安定感を持たず、パールほどの走りを感じられないため、時には中途半端に感じることもあります。
もう、これは最高です!
今回のコアは、トラック社の名作『トライトンエリート』を覚えていらっしゃいますでしょうか?名前を変えて『ラティチュード』などにも受け継がれてきた、あのコアです。このMC2コアを非対称バージョンとしてアップデートし、新たに発売されました。
さらに使用されているカバーは、名作『プルーフハイブリッド』に採用されていたプライムタイムレスポンスハイブリッドのHK22版。これがもう、間違いなく素晴らしい。
適度にレーンをキャッチしながらもスムーズに走り、バックエンドでは鋭い動きを見せてくれます。
万が一どこかで見かけたら即買いしていいと思います。
ストームのコアは、底部にフリップブロックと言われるパールがついていますが、このエレメントツアーAIには使われていません。これによりレーン全体で安定した転がりを得られ、様々なレーンコンディションやボウリング場で使いやすい素晴らしい玉です。
カバーも摩擦が大きめのTX16ハイブリッドリアクティブが使われていることでオイル多めも使えて、とりあえずこの玉から投げ始めていいと思います。それだけ使える範囲が広い玉です。
クリーンな走りとバックエンドの鋭い動きが人気のハイロード。
その中でも『ザ・ロード』はAIコア化され、ReXハイブリッドとの組み合わせにより、メリハリを保ちながらコントロール性が向上して使えるレンコンが幅広く使えるようになりました。
また、ピンアクションの向上も高く評価されています。
これまでオイルが薄い時や遅いレーンで使用されるイメージが強かったハイロードシリーズですが、幅広いコンディションで活躍できるようになりましたので、たくさんゲーム数投げる時には持っていって欲しいな。
いかがでしたでしょうか?
おいおい!
待てよ和義!
俺のお気に入りの玉が入ってねーじゃねーか!
って方は
その玉の感想を
書き込んでくださいな。
今年も多くのレビュー投稿をいただきました。
貴重な感想を投稿してくれた皆様
ありがとうございました!
松Pの振り返り
毎週のリーグ戦、各団体の大会、毎月発売されるボール、それを追っていくと一年はあっという間です。今年もボウリングと共に過ごした年でした。今年一年NAGEYOを見てくださった皆様ありがとうございました。
ここ数年、ボウリング場の閉鎖が続いていますが今年も思い出のあるボウリング場が閉鎖されてしまいました。来年はボウラーの皆様も、時々ボウリングを楽しまれる皆様にも、近場で行けるボウリング場が増えることを願っています。
今年もたくさんのボールが発売され、どこのメーカーのボールも素晴らしく、自分に合ったボールを見つけることが上達のひとつとして大きなポイントです。ボールの進化と老朽化していくレーンとのマッチングを考えずしてハイスコアの量産は難しくなりました。各団体の大会はもう200アベレージでは勝つことはできなくなっています。
才能だけが問題ではなく、取り組み方と情熱があれば誰でも上位に行けるので来年は自分の眠っている才能を開花させてください。
もう一回読んでほしい記事
今年もいくつもの取材をさせていただきましたが印象に残った記事といえば齋藤大哉さんの『トップボウラーの脳内を見てみよう』です。ジュニアでも同じ競技で大人顔負けのスコアを出し優勝する思考を実際に会って話してみたかった興味深々の取材でした。体格の差やボウリングを始めた年齢で多少の差はありますがそれでも思考に強さが隠れていると確信していた通り、齋藤大哉さんのボウリングに対する圧倒的な直向きさに感心しました。
体力や筋力を強くするには時間がかかりますが思考はその気になれば瞬間です。しかし実際には簡単に変えられない思考にこそ結果に違いが出る大きなポイントです。そんなことを考えながら来年も才能を発揮しきれないボウラーに寄り添えればと思います。
齋藤大哉さん記事
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松本妃永の「何を考えて投げているのか教えて」 齋藤大哉編
あーでもない、こーでもない。こうしてみよう、あーしてみよう。などなど、投げながらいろんなことを考えていると思います。このシリーズではトップボウラーが何を考えて投げているのか?をお話をしていただこうと思います。第1回目は14歳の両手投げボウラーに聞いてきました。
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印象に残ったボール
こんなに長く続くシリーズなので、正直なところ『今回も前回と同じ感じなんじゃないの?』と思っていました。ところが、実際に投げてみると期待以上の仕上がりで驚かされました。スペック通り、しっかりとした強さを感じられ、オイルのあるレーンでも安定感抜群。
さらに、私が求める「強いキャッチ感」と「コントロール性」の絶妙な仕上がりです。
毎回信頼できるこのシリーズですが、今回のモデルは特に『オイルが多め』で真価を発揮するボールだと思います。これまで愛用してきた方も、新たに試したい方も、使ってみてください。
ツアプレ愛満載の記事
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ナノデスアキュラインツアープレミアムってなぜ人気なのか?~ツアプレ愛が溢れてる松Pからの提案〜
毎年秋に発売されるナノデスアキュラインツアープレミアムシリーズ。今年も良いのができたという噂を聞きつけた松PはさっそくABSのごっちんに連絡を取ってツアプレの良さを引き出してきました。気になってる人は参考にしてみてね。
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最後に
お仕事をして、家事をして、子育てをして、介護をして、それぞれの事情を抱えながら、いろんなことをやりくりしてボウリングに時間とお金を使っていただいた皆様、今年もお疲れ様でした。ありがとうございました。
また来年もボウリングを通して楽しい思い出、素敵な出会いがありますように!
プロボウラー
松本妃永
カズヨシの振り返り
今年もたくさんの新製品が発売されました。その中でも注目を集めたボールはこのテクノロジーでした。
AIテクノロジー
ストーム、ロトグリップ、900グローバルで使われている。
AIコアテクノロジーって?
ボウリングボールのパフォーマンスにおける「衝撃度」を測定・向上させることを目指した。
反発係数とは異なる視点で、ピンアクションにおける力の伝達を重視して設計。
力の伝達効率を高めることで、フレアや回転の少ないボールでもストライクを可能になるという研究をしている。
ボール内部やシェル(表面)の設計を改良し、力の逃げを防ぐようにしている。
この技術によりポケットヒット時におけるストライク率が5%程度向上したといわれています。
たかが5%ですが、勝負のかかった投球でパタン!て⑩ピンが倒れる確率が上がるなら嬉しいですよね。
HK22+コヒージョン(HK22C)
2024年現在はブランズウィック、ハンマー、エボナイト、DV8のブランドの一部の玉で使われている。
昨年から大ブレイクしたHK22で作られているカバーストックにコヒージョンと言われる添加物を混ぜたものです。
HK22はバックエンドで鋭い動きが出るように作られたベースカバーで、摩擦の大きなカバーから小さいカバーまでたくさん使われています。そのカバーにコヒージョンを混ぜるとオイルゾーン終盤でのグリップ力が上がります。
鋭い動きにしっかりとグリップする安定感が加わったことでオイルゾーンも長く使えますし、バックエンドが甘くなってきた時間帯にも安心して選ぶことができそうですね。
2025年もHK22Cベースのカバーと使った玉が発売されていくと思われます。
おすすめアイテム① グリップスプレー
プロボウラーの正田晃也さんの道具箱に入っていたGRIP SPRAYという便利アイテム。特に両手投げやサムレスのボウラーにおすすめします。
手が乾燥してサラッサラになりがちな人はこのスプレーをワンプッシュして手になじませるとベタベタまではいかない絶妙なしっとり感が得られます。特にウレタン使う時にサラサラして困ってる人は試してみてね。
プロボウラー正田晃也さん記事
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松本妃永の「○○見せて!」vo48正田晃也
久々に松Pの道具箱シリーズです。今回は両手投げで最近はトーナメントのライブ中継でも熱い実況をしてくれているあの人の道具箱を取材してきました。いったい何が入っているのか?
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おすすめアイテム② イージーグライドボールカップ
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画像クリックでDrill処あしかわのXで紹介した動画に飛びます。
EASY GLIDE BALL CUP
一言で言うとボールベースなんですが、底面にゴムが張られているので滑らない。そして玉が接する部分にはシリコン素材のリングが貼られているので少ない力でくるくるボールを回せます。
■ボールクリーナーを使う。
■表面加工で使う。
小さいので道具箱にも入るので1個持っておいてもいいと思います。
最後に
記者として、編集者として、ドリラーとして、そしてボウラーとして、ボウリングに携わる中で、悩んでいる方や辛そうにボウリングをされている方に出会うことがあります。
そんな皆さんのお力になれるように、私たちはNAGEYOを続けています。
これまで、さまざまな記事をお届けしてきました。ぜひ過去の記事もご覧いただき、何かのヒントを見つけていただけたら嬉しいです。行き止まりに感じた道が、ふと開けるきっかけになるかもしれません。
また、来年もたくさんのストライクが出て、笑顔が溢れる一年になりますように心から願っています。最後になりましたが、取材や記事でお話をさせていただいた皆様、写真を撮らせていただいた皆様、そして記事を読んでくださる全国のボウリング愛好家の皆様、本当にありがとうございました。
2025年も打てる気がする記事づくり続けていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
2025年も打てる気になれますように
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おあとがよろしいようで。
来年も打てますように!!