今やボウリングの両手投げは珍しくなく、更に両手投げのバックアップなど多種多様です。
男女問わずジュニアにも両手投げのボウラーが増えてきて将来的には「まだ親指入れてるの?」なんて時代がくるかもしれません。
どのタイプが1番強いのか?
いま世界で最も強いボウラーは誰か?
なーんて考えてるうちに、ABS社の我らが「ごっちん」こと後藤謙二さんより連絡がありました。
・
・
・
何といっても、現在世界一と言っていい選手に、直接ではないけど質問できるなんて夢のような話を振ってくれたごっちんに感謝感激です。
では行ってらっしゃい。
by 松P
・
・
・
・
数日後
・
・
・
おかえりなさーい。
By 松P
・
・
・
そして、ごっちんから届いた写真データとインタビュー内容が以下です。
どぉーーーーん
E. J. Tackett
(イー・ジェイ・タケット)
少しワイルド感が出ましたね。
以前NAGEYOでも取材させていただきましたが、当時の細マッチョで少しワイルド感が出る前の姿も印象的でした。
2018年取材時
EJタケット氏の記事
-
-
めがねーは(・∀・)の一部~です~PBA編
すっかり眼鏡っ子ボウラーの松Pです 以前、眼鏡っ子ボウラーをご紹介した時、私はメガネ初心者でしたが今はメガネ無しは考えられないです あれから何本作ったかな? 現在は10本くらい持っていますが投げる時は ...
続きを見る
EJタケットってこんな人
小柄な体格ながら驚異的な回転と精密なラインコントロールで、メジャータイトルを次々と制覇。
2023年にはPBA史上わずか数人しか達成していない「トリプルクラウン」を手にし、さらにPBAワールドチャンピオンシップでは前人未到の3連覇を達成。彼のプレーは見る者すべてに圧倒的な興奮と感動をもたらす凄い選手です。
ご存じない方もいらっしゃると思いますので、EJタケット氏のプロフィールを紹介させていただきます。
2018年取材
プロフィール
- 本名:Eddie Dean Tackett Jr.
- 生年月日:1992年8月7日
- 出身:米国インディアナ州ハンティントン
- 身長:170cm
- 体重:約68kg
- PBA入り2012年/通算27勝(メジャー7勝)
- ルーキー・オブ・ザ・イヤー(2012–13年)
- Triple Crown達成(2023年)
- PBA世界選手権
- TOC
- U.S.オープン/メジャー制覇
- トーナメント・オブ・チャンピオンズ(2017)
- U.S.オープン(2023、2025)
- PBAワールド選手権 (2016/2023/2024/2025)
※3連覇中 - PBA年間最優秀選手(Player of the Year) 3回
(2016年・2023年・2024年) - 平均スコア大賞(George Young Award) 3回
(2022~2024)
2023年、四大メジャーすべてでトップシード獲得、7大会連続ファイナル進出という前人未到の偉業を成し遂げました。
Team USAの常連メンバー(2011~)としても国際大会(世界選手権など)で複数のメダルを獲得。
用品契約/MOTIV社(2013年〜現在に至る)

世界一の強さの秘密とは?

リリース角度やスピードを体に覚え込ませる。さらに試合を想定して『この1投で何をするか?』を常に意識して投げてきたんです。
ごっちんポイント
2歳から始まった長いボウリング人生。
彼の強さの秘密は、徹底的な基礎練習と反復だそうです。この緻密な練習こそが、どんなプレッシャーの中でも崩れない安定感と精密さを生み出すのです。まさに「努力と才能の結晶」と呼ぶにふさわしい圧巻のパフォーマンスです。
MOTIV社とEJタケット
EJタケットを語る上で欠かせないのがMOTIV(モーティブ)。
2013年から契約を続け、2018年には2030年までの長期契約を結ぶなど、信頼関係は絶大です。
↑
クリックでみんなのレビューのMOTIVページへ飛びます。

EJ: MOTIVの強みは一貫した品質と進化し続ける開発力。カバーとコアの融合がとても緻密で、意図した通りの動きをしてくれる安心感があります。
ツアー中でも、自分のフィードバックがすぐ製品に反映されるのも他メーカーにはない強みですね.
ごっちんポイント
EJタケットの類稀なる技術とモーティブの革新性は相乗効果を生み出し、ツアーでの無類の強さを支えています。
もともと人気のあったモーティブですが、彼の活躍と共に注目度はさらに加速しました。

モーティブってどんな会社?
MOTIVの起源は、アメリカ・ミシガン州に拠点を置く Wilbur Products(ウィルバー・プロダクツ)。
1990年代から他社ブランド(主にBrunswick)向けにボウリングボールのコア製造を行い、高い信頼を築いてきました。
その後、自社ブランドMOTIVを2009年に設立。ブランド名は Motivation(情熱)+Innovation(革新) から生まれた造語です。

世界に広がったきっかけ
日本では2013年8月発売
『Primal Rage』をきっかけに注目度が急上昇。
翌2014年の
『Covert Revolt』
同年10月の
『JACKAL』が大ヒット
特に『JACKAL』シリーズは現在までに17作を数える人気モデルとなっています。
なんでこの玉は人気なの?ジャッカル編
-
-
なんでこの玉は人気なの?メーカーの人に聞いてみよう 第1弾MOTIVジャッカル編
ボウリングボールには不動の人気を誇るヒット作が存在する。曲がるぜ!とかピンアクションがすごいぜ!とか感想は様々だが口をそろえて良い玉と表現する。人気のシリーズ玉の秘密をメーカーの担当者に直接何が良いのか?どんな特徴がボウラーに指示されているのかを聞いてみました。初めてとなる今回はMOTIV社のジャッカルシリーズを選びました。世間では知られていない話が出てくるかな?
続きを見る
MOTIVの特徴
このあたりのお話はごっちんに詳しく解説していただきました。
MOTIVは過去に多くのシリーズを生み出してきました。
①一貫生産体制(Made in USA)
- 設計から製造まで自社工場で行う完全一貫体制。
- コア・カバー・表面仕上げなどすべて自社開発・管理。
- 安定した品質と高い再現性。
②独自技術:NeoMark™ Graphics
- ロゴが塗装やプリントではなくカバー素材と一体化(特許取得済)。
- 凹凸がなくパフォーマンスを妨げず、迫力ある美しいロゴ。
③多彩なオリジナルコア設計
シリーズごとに独自コアを開発し、多彩な設計で幅広いプレースタイルに対応しています。
- ■非対称コアの比較
- JACKALシリーズ:非対称コア、最大フック性能、手前から強いリアクション。
- VENOMシリーズ:非対称・対称コア、コントロール重視+キレ。
- PRIMALシリーズ:高慣性コア、奥でのリアクション、スキッド&スナップ重視。
- PRIDEシリーズ:扱いやすく競技向き。
- EVOKEシリーズ:ジャッカルに似た数値で軽い手前転がり、奥でシャープに動く万能型 。
- ■対称コアの比較
- Forgeシリーズ:手前転がり+継続性高。
- Supra シリーズ:奥で過激に運動。
- PRIMALシリーズ:高慣性コア、奥でのリアクション、スキッド&スナップ重視。
- Thrill シリーズ:最も走るスペック。
④ 多様なカバーストック素材
4タイプのカバーと多彩なコア・表面仕上げの組み合わせであらゆるレーンに対応しています。
- Propulsion™:走り重視・スキッド&スナップ。
- Leverage™:安定重視、オイルキャッチ性能。
- Turmoil™:超安定型、MOTIV伝統の基盤。
- Coercion™:攻撃型、バックエンドでの力強い動き。
⑤ 戦略的ラインナップ
プレースタイルやレーンコンディションに合わせて選びやすく、複数のボールを持つことで幅広い対応力と戦略的な選択が可能です。
- 前半用(オイル多め):Evoke、Jackal Onyx、Lethal Venom、Subzero Forge
- 中盤用(ブレイクダウン進行):Evoke Hysteria、Primal Rage Evolution、Raptor Rush
- 後半用(スキッド+先の動き):Pride Empire、Supra Clutch、Supra GT、Hyper Venom
- コントロール用(バックエンド抑制):Pride Dynasty、Pride Liberty、Tankシリーズ
- 万能型:Black Venom、Rising Venom、Venom Shock
⑥ プロとの連携
- PBAツアーで活躍するEJタケットプロとの連携で注目度アップ。
- 高回転から低回転まで幅広く対応。
- プロ・アマチュアとも扱いやすい性能設計。
⑦ 日本市場への取り組み
EJタケットの武器
タケットが特に信頼を寄せるのがVenomシリーズ。

EJ: Venom Shockはミディアムコンディションで安定した曲がりを見せてくれて、ピンをしっかり飛ばしてくれる。
投げた瞬間のフィーリングが良く、ラインの再現性が高いんです。
近年では「Supraシリーズ」「Evokeシリーズ」も優勝を支える大きな武器となっている。
日本のボウラーへのアドバイス

松Pからの質問


特に父が熱心なボウラーで、物心ついたときにはもうレーンに立っていましたね。なので、ボウリング歴でいえばもう30年以上になります。気づいたら投げていたって感じです(笑)。
小さい頃から競技として向き合ってきたので、ボウリングは僕の人生そのものです。


試合を想定した練習もよく取り入れます。「ただ投げる」のではなく、緊張感の中でも自分の動きが乱れないようにしてきました。
フィジカルトレーニングやビデオチェックも欠かしません。基本をおろそかにしないことが練習のベースです。


カバーストックやコア設計、その融合の仕方が緻密で、ツアーで投げるたびに『意図通りに動いてくれる』安心感があります。自分のフィードバックがすぐ製品に反映されるのも他にはない強みです。


特にVenom Shockは、ミディアムコンディションで安定した読みやすい曲がりを見せ、必要な時にしっかりピンを飛ばしてくれます。
投げた瞬間のフィーリングが良く、ラインの再現性も高いです。


MOTIVは妥協なくパフォーマンスを最優先しているので、僕は使い続けています。最終的には『勝てるボール』かどうかが判断基準です。


VenomシリーズやPrideシリーズは、無理に曲げなくてもラインに乗せやすく、扱いやすい設計です。条件が限られたハウスコンディションでも使いやすいモデルがありますので、まずはVenom Shockから試してほしいですね。
EJタケットさん、ごっちん、ありがとうございました。
最後の質問にある「回転が少ないボウラーにも対応している」という点は、私自身も実感しています。
『走ってキレる』に捉われず、滑らかな曲がりでオイルの変化にも対応しやすいモーティブは、常にラインナップに入れておきたいボールです。
我らの「EJマツッピ」も投げてみます。
投げたのはRISING VENOM ライジング・ベノムです。

柔らかい曲がりはそのままに、今までのベノムよりも手前の走りがあるように感じました。オイルパターンにもよりますがオイル引き立てよりも、2個目に登場する中盤から後半に投げる時間帯のボールだと思います。オイルを感じながらも
極端な動きをしない。
ライン取りしやすい。
曲がりの強い動きのはっきりしてるボールを好む方が多いですがオイルは必ず無くなって変化しますから、中盤から使える安定感のあるボールは必要だと思います。
動きがはっきりするボールをいくつも持つよりも、オイル変化に伴うライン取りに対応しながら迷わないボールチェンジができるボールです。
最強のボウラーEJタケットと彼が信頼しているモーティブのボールの魅力をお伝えしてきました。 そのEJタケットさんを目の前で見られるチャンスがやってきます。
EJタケット、イベントスケジュール
最強のボウラー、EJタケットが11月に来日します。
セミナーを聞いて、レッスンを受けて、プロチャレンジを一緒に投げる盛り沢山なイベントになっています。
EJタケットに会いたい人
11月23日(日) 稲沢グランドボウル
11月24日(月) 神戸六甲ボウル
11月25日(火) 新狭山グランドボウル
※定員に達している会場もあるようです。詳細につきましては各ボウリング場にお問い合わせください。
行くっきゃないっしょ!