毎年開催されるスポーツのビッグイベントといえば国民スポーツ大会、通称「国スポ」
開会式をテレビなどで見た方も多いのではないでしょうか。
今年の国スポ『わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025』のボウリング競技は、ラピュタボウル彦根で開催されました。
駅でも国スポを盛り上げています。
国スポ(2024年から国民体育大会から国民スポーツ大会に名称変更)は、これまでに何度も取材していて、私自身、毎年予定に入れてしまうほど楽しみにしている大会です。
今回は取材ではなく、松Pと芦川ドリラーは青森県のサポートとして帯同させていただきました。
取材らしい取材はできませんでしたが、たくさんの写真と、過去最長に国スポの空気を感じることができたので『松Pが見た、今年の国スポ』としてご紹介します。
まずは「国スポって聞くけど、どうやったら出られるの?」「他の大会と何が違うの?」からお伝えします。
国スポに出るには?
国スポに出場するには、まず都道府県の代表選手に選ばれなければなりません。県によって選考方法は異なりますが、県大会や選考会で上位に入ることが条件になることが多く「手を挙げれば誰でもなれる」というわけではありません。選手層が厚い県では、この代表入りの時点でもう激戦です。
そして、県代表になったあとに待ち受けるのが「ブロック大会」
この大会で各ブロックの上位に入らなければ、国スポ本大会への切符は掴めません。ここが最大の関門で、「えっ?あの強豪県が通過できないの⁈」ということも珍しくないのです。だからこそ、各県が本気で挑み国スポを目指します。
関東ブロック大会2025の模様
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国スポの面白さ
正直、国スポの取材をするまでは「国スポってそこまで熱くなる大会なの?」と思っていました。それが今では、「毎年絶対に行きたい」「あの空気をもう一度味わいたい」という気持ちになっています。その理由、魅力を3つにまとめました。
都道府県対抗のドラマ
国スポの一番の魅力は、やっぱり“県の代表として戦う”ということ。
普段の大会では個人戦が中心ですが、ここでは地元の仲間と助け合い、県の名を背負って戦います。
「この一投で順位が変わるかもしれない」。そのプレッシャーと覚悟がレーンに立つ全員が感じます。見ている側も手に汗握るし、気づくと自分も声を出しています。
個人・2人・4人チーム、それぞれの勝負どころ
国スポのボウリング競技は3種目構成(個人戦・2人チーム戦・4人チーム戦)。それぞれの順位によるポイントの合計で県の総合順位が決まります。
つまり、誰か一人がエース的存在だとしても、突出していても勝てません。全員が力を出し切れて初めて、県の順位が上がります。この団体ならではの緊張感と責任感は、他の大会では味わえません。
普段では味わえない一体感と応援の熱
国スポは、とにかく「空気」が違います。ストライクが出たら全員で拳が突き上がり、スプリットメイクしたら拍手の嵐。応援も競技の一部です。
レーンの上だけでなく、ベンチや観客席までもが戦っている…そんな感覚になります。一度でも会場の一体感を体験すると、来年も来たくなります。いや、ちょっと出たくもなります。
今年の国スポの会場は、ビバシティ彦根というショッピングセンターの3階にあるラピュタボウル彦根で開催されました。
施設内で食事も買い物もできて、それはもう便利でした。
疲れた身体に31アイスクリームは沁みました(笑)
ショッピングモールの駐車場の一部をボール置き場や休憩所としていました。
空き時間にボールのお手入れもでき、選手たちは快適に過ごし、スムーズに移動ができました。
ボウリング場スタッフの皆様、事前の準備から期間中の運営まで本当にお疲れ様でした。
さて、今年の国スポの結果をご紹介します。優勝者のインタビューができなかったのは残念です。
男女総合の天皇杯は三重県が全10種目の入賞ポイント合計により初優勝を果たし、女子総合の皇后杯は和歌山県が3年ぶり3度目の優勝でした。三重県の安定感、そして帰ってきた和歌山女子4人のチームワークが光っていました。おめでとうございます!
ブロック大会記事でもお伝えしましたが、国スポには多数のプロボウラーやナショナルチーム選手が参加していて、日本のボウラー全員が参加できる垣根のない素晴らしい大会です。アマでもナショでもプロでもなく、それぞれが「国スポ代表選手」です。
会場内では、たくさんの人に会い、声をかけていただきました。
今年の国スポで印象的だったこと:オイルパターン
今年の国スポで印象的だったのがこのオイルパターンです。
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これを見て「こりゃ難しいわ」と感じた方もいたと思いますが、簡単にスコアが出せるパターンではありません。関東ブロック大会でも多くの選手が苦労していました。
本大会でも、バレーボールのリベロのようにスペアを拾って拾って拾いまくる、8本倒せたらナイスカウント、とにかく我慢して耐えるオイルパターンでした。それでも投げる時間帯や個人のスタイル・技術によってハイスコアを出す選手もいて、本当に素晴らしかったです。
もうね、しっかり投げてても120点とか出ちゃうので、泣いている女子選手もけっこういました。
選手たちは苦労したと思いますが、ボウリングボールの進化やハイスコアに慣れている昨今において、今回のオイルパターンはとても勉強になったと思います。日々の練習方法、ボールの知識、ホームだけではなく、いろんなパターンで経験を積む必要性など来年に向けての課題も見つけられたのではないでしょうか。
今年の国スポを見て思ったこと
今年は帯同したこともあり、取材では見えなかった「参加する側の視点」でも経験できました。
まず驚いたのは、どの県も数年単位で準備をしているということ。経験豊富な上級者ばかりのチームはほとんどなく、練習会・若手育成・各分野の講師を招いての勉強会など、強いチーム作りのために選手だけでなく多くの方々が関わっています。
本番だけが国スポではなく、来年に向けて、開催地に向けて、「日々国スポは作られている」のです。そうした背景を知ると、「なぜあんなに応援できるのか」「なぜあそこまで熱くなれるのか」が改めて納得できます。
また、国スポは簡単にスコアが出ない大会ですが、今年はさらに選手たちが苦しんだオイルパターンでした。
しかし、辛いだけではなく、大会中日に日に上達する選手、攻略していく選手を見ると、「面白いなぁ、凄いなぁ」と思わず声が出ます。これこそがボウリングの魅力です。
青森県の成年女子チームと監督と
























